「入門 考える技術・書く技術 日本人のロジカルシンキング実践法」
わかりやすい、伝わりやすい文章を書くための本です。リトミックの指導案づくりに役立ちそうです。

入門 考える技術・書く技術

山崎 康司 ダイヤモンド社 2011-04-08
売り上げランキング : 3139

 

by ヨメレバ

指導案作りの難関は軸がある「流れ」を作ること

指導案づくりに必要なものはゴールである「目標」からなります。基本的に、この「目標」から逆算していくようなカタチで内容を組み立てていくと、一回の活動が一貫したものになります。

 

とはいえ、私は指導案づくりに慣れない頃はこれが苦手でした。どうしても、「目標」を最後に、つじつまを合わせるように作ってしまいがちでした。

 

日本語をしゃべっているように、結論を最後に持ってきてしまうのです。しかし、これではゴールに向かううちに、結局何をするのか見失ってしまうのです。

 

本書でも触れられていますが、「日本語教育の弊害」ともいえる「思考の流れ」が、わかりにくい文章にしてしまう、ともあります。

 

そんな、「日本語思考」を改善することで、リトミック指導案作りが、より明確なものになるのでは!?そんな思いで読み進めました。

 

本書はビジネスにおける文章を例としています。しかし、考えをまとめていく手法は、幅広く応用が効くと思います。もちろんリトミックの指導案にもピッタリでしょう。

 

ピラミッド原則で流れを組み立てる

以下、本書より。

 

 

文章を相手に読んでもらうためには「読み手の理解」が必要である。相手である「読み手」が知りたい事が書いてある文章が「読まれる文章」になる。

 

読み手が何を知りたいのかを知るために【OPQ分析】

O→Objective 読み手が目指している望ましい状況
P→Problem 現状とOのギャップ、解決すべき問題のこと
Q→Question Pに直面した読み手が、その解決に向けて自然に抱くだろう疑問のこと
読み手の疑問への答がメッセージとなる。答には「なぜなら〜」というように、いくつかの「根拠」になる。

 

これらは全て「読み手」の視点に立っている。

 

その視点から出す文章が答となり、それがそのまま文章の主メッセージということになる。

 

「読み手の疑問」→「答となるメッセージ」→「(いくつかの)根拠」の流れがピラミッド原則の構造となる。また、明確にするためにメッセージは一般論にならないよう注意が必要である。

 

文章にする際「名詞表現・体言止めの禁止」「あいまい表現の禁止」「一つの文章で表現する」「しりてが接続詞の禁止」が鉄則となる。

 

ピラミッドを文章にする

ピラミッド構造を、そのまま文章で見えるよう表現する。その際、メッセージのかたまりが一目でわかるようにする必要がある。かたまりの最小単位に「段落」がある。段落の基本は、

 

・メッセージごとに段落を作る
・段落の違いを明確に表現する
・段落のメッセージ文を段落の冒頭に置く(例外あり)

 

段落について、ここでも学校教育の弊害として紹介されている。「改行後に一文字引き下げ」よりも「改行に加えて大きめの行間を取る」ことが現代に適しているとしている。

 

文章のわかりやすさについて、「ロジカル接続詞」がある。

 

例:
「この部署は若者がおら、元気がない」

 

おら「ず」という日本語特有の「and接続詞」は、読み手が前後の関係を推測させる必要のある文章になる。前後の関係を明確にしてくれる接続詞が「ロジカル接続詞」である。

 

「この部署は若者がいないために、元気がない」

 

因果関係、時間の流れ、対象・対比をあらわすものなどいろいろある。

 

実際に指導案づくりに活かすには

「OPQ分析」は、そのまま指導案の「目標」部分に当てはめられます。
「読み手」の視点を、子どもの姿を「客観的に」見ることに置き換えればよいでしょう。

 

ピラミッド構造は「目標」に向かうために必要な「活動」を構成することになります。これが出来た時点で、一つひとつの「活動」が「目標」をもとに立てられたものになるので、筋の通ったものになるはずです。

 

ピラミッドを文章にする手順は、始まりから終わりまでの流れを組み立てる事に似ています。
一つひとつの活動を明確にし、前後関係をはっきりさせ関連付けていきます。

 

本書には、「一日一回ピラミッド」というピラミッドの組み立て練習のやりかたが載っています。文章を書く上でのトレーニングですが、指導案を作る際の「思考の流れ」を鍛えるのにてきめんだと思います。

 

リトミック指導案作りの上で、内容をまとめていくことに苦労しているかたにはオススメの本です。

入門 考える技術・書く技術

山崎 康司 ダイヤモンド社 2011-04-08
売り上げランキング : 3139

by ヨメレバ