リトミックを行う上で最も大変な作業は「指導案の作成」です。

演奏が上手だったり、子どもへの対応が上手なのは技術として必要ですが、その力を発揮するためには、そもそもの「みちしるべ」として指導案が無ければ活動は進みません。

リトミックに必要な「アイデア」とは?

指導案作成の際に悩むのは「何のために、何をするか?」

 

目的だったり活動内容を考えていきます。順当な道筋としては、目的があって、そこに至るまでの活動を考えていくことになるのですが、この「アイデア出し」とも言える作業は非常に大変です。

 

今回ご紹介する本は、この「アイデア出し」に有効なものです。

 

【アイデアのちから】
チップ・ハース、ダン・ハース:著 日経BP社

ここで述べられる「アイデア」の作り方は、指導案作りに直接結びつけるというより「発想の仕方」に役立ちます。

 

「アイデア」は誰でも出せる

この本「アイデアのちから」は、優れたアイデアは才能ではなく、方法次第で誰でも生み出せるということを訴えています。

 

アイデアを他人に広く伝えたいなら、他のアイデアが広く伝わるのに昔から役立ってきたルールの中で考えればいい。作りたいのは新しいアイデアであって、新しいルールではないのだから。p.31

 

優れたアイデアとは、「人の記憶に残るもの」として、以下が紹介されている「6つの原則」です。

 

・単純明快である

 

アイデアは情報量を減らせば減らすほど、記憶に焼き付きやすくなる。P.59

 

大切なのは、核心をついた短いもの。例えば、必要だと思うことを全て詰め込むと、多すぎて見失ってしまう。

 

・意外性がある

 

記憶に焼き付きやすいアイデアに共通する感情は「驚き」と「関心」P.85

 

興味を持つからこそ、人は「驚き」「もっと知りたい」と関心をよせる。

 

・具体的である

 

具体的であることは理解を助ける。既存の知識や認識を土台に、より高度でより抽象的な洞察が得られる。p.141

 

専門用語を並べるより、みんなが知っている例えの方が、何よりイメージしやすく覚えやすい。

 

・信頼性がある

 

人はなぜアイデアを信じるのか?(中略)親や友達が信じるから。そう信じるに至る経験をしたから。宗教的信条から。信用できる権威者が言っているから。p.176

 

自身が(とか身の回りが)体験出来るものほど納得ができるものである。

 

・感情に訴える

 

アイデアを心にかけてもらうには、特定の個人への共感を生み出す。p.268

 

人が興味を持つのは、「自分はこうしたい」といった個人的なメリットがあるから。

 

・物語性

 

物語は人々の意識を潜在的な解決法に向けさせる。目標や障害がわかりやすく示された物語を語れば、聴き手は問題を解決しようという姿勢になる。p.308

 

「なぜ、それに興味を持つか?」は、そこに「お話」として具体的なイメージを持って共感できるから。

 

アイデアをリトミックで活用する

何より、リトミックをキチンと活動にしていくには、子どもたちが興味を持たなければ始まりません。

 

指導案の失敗例として、私の経験で多いのは「詰め込みすぎ」からくるものです。わかりにくかったり、混乱させてしまったりして「つまらない」状況を作ってしまったからです。

 

この本のアイデア原則として、「わかりやすさ」や「興味をひくには」といった要素がふんだんに強調されており、それらはリトミック指導案にも必要な要素です。

 

指導案の「詰め込みすぎ」を防ぐための指標として、上記にあげた「6つの原則」は使えるでしょう。

 

リトミックに限らず、「考える・生み出す」ことはどんな仕事にも必要なことです。この本により、「アイデア」を出すことを楽勝にしていけるはずです。

 

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