子どもに「教える」ということは言わずもがな、難しい。大人同士であれば、お互いの意思を尊重しつつ関わり方を組み立てられるが、子どもにそれは求められない。「なんで?」と聞かれるか「こうしなさい」と伝えるのが大体のやり取りになってしまう。もちろん、そこに「共感」はあるが。

 

 

子どもに「教える」、つまり指導をするといった場面でやってしまいがちなのは「伝えすぎる」ということ。こちらの「こうなってほしい、こうしてほしい」といった思いが先走り、必要以上の説明を付け加えてしまう。しかし、子どもは言われれば言われるほど混乱してしまうものである。それなので、「伝えすぎる」を回避するには、伝え方をシンプルにしていく必要がある。

 

 

Think Simple―アップルを生みだす熱狂的哲学

ケン・シーガル NHK出版 2012-05-23
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by ヨメレバ

「Think Simple」 ケン・シーガル:著 林 信行:監修・解説 高橋則明:訳 NHK出版

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iPhoneでお馴染みアップル社についての本であるが、スティーブ・ジョブズの功績を網羅し考察する、といったありきたりなものではなく、クリエイティブ・ディレクターといった立場である内部の人間が、アップルたる所以である「シンプル」を「どうしてかって?こうだからだよ」と明かしてくれる本である。

 

 

アップルの製品を使った際に「わかりやすい」と感じた事がある人は多いと思う。それもそのはず、アップルは製作過程の入り口から出口までを徹底して「シンプル」にこだわっているからである。本書で明かされる「シンプル」の秘訣は多様な場面に適用できる。もちろん、子どもへ「教える」ことにも。

 

 

子どもを指導する際、最も「シンプル」が必要になる場面は「説明」する時だろう。以下、本文より。

 

 

『選択肢を与えられたときに、正常な人は複雑な道よりもシンプルな道を選ぶ』

 

 

子どもに「説明」をするときは一度に複数の事を言わない。なぜなら、こちらが喋れば喋るほど子どもの理解を分かりにくくするからである。一つの事を伝えるには一つしか言わない、この方が子どもは集中を一つに向けられるのである。

 

 

本書には、「アイデア」「組織編成」「運営」「宣伝」「姿勢」「原則」といった製品を作り出す段階から製作過程、そして理念といった段階ごとにアップルの「シンプル」を明かしている。カテゴリで言えば本書はビジネス本なのだろうが、子どもを相手にしている方でも仕事に応用していけるだろう。

子どもに、もっとこちらのことを分かってもらいたい。そんな人にオススメです。