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前回は、デンマークの保育園事情をインタビューしました。

インタビューの翌日、私はコペンハーゲン中央駅から電車に乗って30分ほどのespegærde駅へ。

mormormorの一人海老原さんが勤務されている特別支援学校を見学させていただきました。その時に伺った「学ぶこと」への意識について興味深いお話をまとめました。

【mormormorさんのプロフィール】

"mor(モア)"とは、デンマーク語で"お母さん"のこと。 "mormormor(モアモアモア)"は、しあわせな国デンマークの教育現場で働く"mor"、 日本人お母さん3人のユニットです。

ピーダーセン海老原さやか(えびはら さやか)さん

コペンハーゲンから40Km、美しい港町エスパゲーアにある公立学校併設の特別支援学校に勤務。自閉症、知的障害、重度重複心身障害の生徒約70名が在籍。
コミュニケーション、感覚統合、身体的トレーニングを柱とした教育を通し、現在と少し先と将来を見据え、生徒が豊かな人生を送れるよう、日々実践を重ねている。重度重複心身障害児クラスの担任。美術も担当。
コックのパートナーとの共通の趣味は「食」。作るのも食べるのも大好き。10歳のサッカー少年と電車の運転手を夢見る6歳の息子がいる。東京都板橋区出身。

北欧から見た日本ってどんなもの??

ーーー 日本の教育観が北欧を目指しているような方向へシフトしてきていますが、逆に北欧、デンマークから見て日本の教育の優れていると思われる点はありますか?

さやかさん:例えば規律がある、とか。集団で何かを行うことに慣れていますよね。「やらなくていい」という選択肢はないから(弱いから)、歌を歌うならみんなで歌う。

ーーー 確かに日本では普段の保育や学校生活だったり行事など集団で活動することが多いですよね。

さやかさん:集団活動の中で「私は歌いたくない」なんて子は小さいうちでは特に少ないでしょう?

ーーー そうかも…しれないですね。では、「みんな一斉に」といったルールというか雰囲気みたいなものはどう思われますか??

さやかさん:うん、そういう価値観の事は私たちmormormorでも話すんだけど、「いい大学に行く」「いい会社に入る」といったものが良い価値観ではなくなってきているでしょ?大学には多くの人が入れるようになったり、大きい会社は無くなったり。価値観は変わってきてて、震災があって家族との時間がどれだけ大事かという話にもなったりしましたよね。そういう日本人の価値観が大きくグルッと変わってきている時だと思います。

さやかさん:それまでの価値観を否定するわけではないけど、新しいところへも気がつかなければいけない。また、子どもの不登校だったり自殺だったり、子どもが幸せに感じているということが極端に少なくなってきているといえるじゃない?それって、やってきたことが上手くいってなかったからそういう結果になっているんだよね。

ーーー だから日本の教育も方向性が変わってきた、ということですよね。

日本人とデンマーク人は考え方が違う??

ーーー デンマーク人と接していて日本人と違う部分って何か感じますか?

さやかさん:日本の体育の時間のyoutubeを見る機会がありました。すると、動画の中ではみんな整列して体育座りをしている。そういえば、体育座りってなんでだろう?と私も気になって調べたら、「場所をとらずに集まれる」という理由があるそうです。人口が多く狭い日本ならではのアイデアですよね。

となると、デンマークは人口も少ない(国全体の人数がが東京都以下)、地震もない。それなのでまあ、楽観的になるのかもしれませんね。

ーーー やっぱり気質も日本と異なってきますよね。先日はなえさんともお話をしていて話題になりました。

さやかさん:気質も違うし、文化も人数も違いますしね。

ーーー そうなると日本人に北欧の教育を知ってもらうには、そういった根っこの部分も理解してもらう必要がありますよね。

さやかさん:まあでも、それは個人個人が自分から求めないと入っていかないよね。いくら話をしたって、その人が聞く体勢というか「知りたい」って思わないとそれは無意味だから。もっと言えば、「学ぶ」ということに私たちはどうやって接してきたか?ということ。

ーーーその辺り、学力重視でやってきた日本人に必要なお話ではないかと。

さやかさん:そうそう。私、受験生の時に「勉強する」ということは親を喜ばせるとか、いい点を取るものとか思っていた時代があったんだけど…

ーーー 評価基準が自分ではなく外に求めている、という。

さやかさん:そうそうそう。でも、大人になってから留学して勉強をしたし、こっち(デンマーク)に住んでからも勉強をしたのって「自分がやりたいから」やるんだよね。そういう学びってすごい身に染みるし入っていく。

ーーー 過去の受験生のころはどうだったんですか?

さやかさん:全然覚えていない(笑)なんかみんなが行くから私も行く、みたいな。

ーーー そのあたり、デンマーク人はどのような考えなのでしょう?

さやかさん:全員が大学へ行くことが大切とは思っていないし、あなたがやりたい仕事をすればいい。仕事にあった教育はあるし、うまくいかなかったら次を考えればいい。「学び」ということが人生に必要なものを身につけるためのものだって考え方ですかね。で、やりたくないならやらなくてもいい、と。

ーーー 学びに対する姿勢や考え方が明確ということでしょうか。

さやかさん:デンマークの人ってすごく自分たちのことをわかっていて、例えばデンマークってすごい小さい国でお金もないんです。自然資源も少ない。そして、周りの国は反対に大きくてお金も持っている。それなので、デンマークは今後10年20年をどうやって生きていくかってことを考えています。

「イノベーション」ということがデンマークの学校ではよく言われています。クリエイティビティのさらに上をいく人材を作らないと世界での競争に勝てない。一つの新しい価値観「アイデア」を作っていく、ということを大事に考えられていて、それに伴った教育がなされています。言語がいくつも出来るとか、そういうのはもう当たり前なのです。

ーーー 子どもがそういった先を見据えていけるような教育がなされているのですね。それは最近、目指されてきたものなのですか?

さやかさん:いえ、昔からだと思います。でも最近の方が目的をより明確にしてきていると思います。先生が一方的に教えるのではなく、例えばプロジェクトみたいにして子どもたちの興味をひくとか。先生がこう、黒板に立って教えるなんてどれだけ古いか?そういったイメージです。

ーーー その国ならではの事情や経緯があるから生まれた一つの「方法」ということですよね。

さやかさん:昔、見学に行ったデンマークの幼稚園でベテランの保育士さんが「転んだりケガさせたりっていうのも私たちの仕事」って言ってたんです。たしかに、それがあって成長していくんですよね。でも、日本ではそういうわけにはいかないですよね。なので、もしいくらレッジョ・エミリアがいい!といってもそれを受け入れる土壌がないと日本では難しいですよね。

ーーー たしかに形だけ取り入れても難しいでしょうね。もし、日本のこれからの教育を変えていくとしたら必要なことは何だと思いますか?

さやかさん:誰かが外から教える、というよりも、現場にいる人達の意識を変える、ということをしなければいけない。こう、底上げといいますか。時代が変わっているし、考え方が変わっていかないと、将来の子どもたちも変わっていかないと思います。

理念がわかれば「何をすればよいか」が分かる。なぜならそれって「自分で考えること」ができるってことだから。

子どもの教育もそうだけど、私たち大人への教育の仕方というのも必要です。そういったことも関わってくるから現場の意識を変えることは一筋縄ではいきません。

私達mormormorができることは、一つの考えとしてそれを伝えていくことなんだと思います。

世界一しあわせな国の教育のおはなし  ~デンマーク人はなぜ世界一しあわせ?ランキングではわからない、しあわせの指標~

mormormorさんのトークイベントが7月にあるようです。おすすめです!

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