人を動かす、新たな3原則 売らないセールスで、誰もが成功する!

ダニエル・ピンク 講談社 2013-07-04
売り上げランキング : 1121

by ヨメレバ

ダニエル・ピンク著「人を動かす、新たな3原則」

この本は、所謂ビジネス本にあたり、リトミックとは関係がない。と、思っていました。

 

私が普段よく目にしているブログ(立花岳志さんというブロガーの方)で紹介されていたのですが、この本のキャッチフレーズとして飛び込んできたのが「売らない売り方」。とても興味を惹かれました。

 

神田昌典さんの2日間セミナーが凄すぎてグルグル回る思考を文章化してみた | No Second Life

 

この本で触れられている「これからのセールスパーソン」というのが、どうしてもリトミック講師(というより子どもと関わる人全て)にも当てはまるように思えてなりません。以下で紹介したいと思います。

 

現代人はみなセールスに関わっている、という前提

セールス、というと「営業」など売り込むイメージがあり特定の職種が携わることと思えるが、メールやSNS上での対応や直接人との対応、教えたり説明したりと「他人を動かす」といった売らない売り込みに費やすことは、殆どの人が関わっている。

 

例えばリトミック講師も、こちらのサービス(レッスン)を納得してもらうよう子どもへ(もちろんそれに関わる大人にも)働きかけている。

この図式は、物を売っているわけではないが、売り込むのと同じといえる。

 

現代において、多くの人がセールスパーソンの側面を持っている、と本の中で指摘されています。

 

三つのABCをリトミックに

リトミック講師もセールスパーソンの側面がある、という前提をもって本を読み進めると面白い。

 

この本では、他人を動かすためのセールスに、三つのABCを方法として示されています。

 

Aは同調(Attunement)     Bは浮揚力(Buoyancy)
Cは明確性(Clarity)

 

・同調は「イメージ、興味を誘う導入」

セールスに必要な「同調」は、相手の視点に立つ、全体像の把握、模倣と信頼の繋がり、を説明している。

 

リトミック活動においては、特に導入部分で必要になる要素だと思います。相手と調子を合わせ、興味を誘うことなくして活動は始まりません。

 

「やらせる」のではなく「やってみよう!」と一緒に調子を合わせた方が、子どもも安心しますよね。

 

・浮揚力は「指導中の駆け引き」

本文より

〜波のように押し寄せる門前払い、拒否、否定と闘わなくてはならない。この拒絶の大海の真ん中で沈まずに浮かぶ方法が、他者を動かすうえで必要不可欠な二番目の特質にあたる。わたしはこれを浮揚力と名づけた。〜

 

威嚇的に教えこむような関わりをするなら話は別ですが(そんな関わり方は論外だが)、子どもと対峙する際には様々なやりとりがあり、関わる側はそれに対応適応していかなければいけません。平たく言うと、子どもが「やらなーい」と飛び出していっていまった時、どうしましょう?

 

まず、何より「売り手側」が自身の商品を好きでなければ説得力は生まれません。「買い手側」がきっと気に入ってくれる。そんな自信からなされるセールスの方がどれだけ魅力的なことでしょう。

 

そして、そのために「私は、するつもりだろうか?」という自問から、出来る方向へ答えを引き出していく方法を示しています。

 

リトミックも同じだと思います。「これは楽しんでもらえるのか?」と内容を検証していき、いきあたりばったりにならないようにしていく必要があります。

 

また、言ってみれば「心の持ちよう」を本の中で「ポジティビティ」と説明しており、ポジティブとネガティブ(これも振り返りに必要な要素)が三対一だと良好な状態としています。

 

本書の中では、ポジティビティがセールスに関わる例が示されています。

 

・明確性は「指導の流れ、出口である目的」を明示する

本文より

〜明確性とは、見えていなかった様相を明らかにして、置かれた状況を理解できるようにする能力で、それまで存在に気づかなかった問題を突き止める能力のことだ〜

 

人の心を動かすために、問題を発見する。目先の「物」しか頭にない状態で、盲点である「原因」を見つけられる力であり、そのために優秀なセールスパーソンは「尋ねる」事が得意でなければならない。

 

リトミックにおいて、活動は直線的なものではなく、弾力性のあるものであるべき、と思います。子どもの様子でボヨンボヨンあちこちに跳ねながら進んでいきますが、だからこそ面白いのであって、指導する側はそれを認めつつゴールへ導いていきます。

 

「何で、今この状況なのか?」「今、実際に子どもが要求してるのは何なのか?」活動中の子どもの姿や発言を、そのまま受け止めるのではなく、その「意味」を見つけていかなくてはいけません。

 

そして、「問題」を発見したら、それをどのように考えるべきか、行動すべきか、を明確にしなければならない。セールスであれば、それを相手に示さなければならない。リトミックもまた、同じで「◯◯をする、してみよう!」と示さなければ始まらない。どちらも、示しが明確でなければ人は、人の心は「動かない」。

 

スキルとして身に付けるには?

「三つのABC」を、どのようにして身につけるのか?といったこともしっかり網羅されています。WEB上で1人で出来るもの、二人以上で行うものなどトレーニング方法が紹介されています。
以下、リトミックにも応用できそうなものを抜粋。

 

・喋らない、明確性、一言ピッチ             ・即興劇、反論ではなくオファー、           相手を引き立たせる、五秒待つ、
・目的を持たせる、EQの高い看板、
・二つの質問

 

指導はセールスそのもの

リトミックを教えるには、内容そのもの、つまり「指導案」が必要になります。言ってみれば指導案自体は文章にも起こすことができるので、テキストだったり人伝えであったりで共有していけるものです。
ただ、実際にやってみれば分かるのですが、「指導する」ことに長けた人でないと、方法をそのまま活かすことは難しいです。レシピは知っているが調理の仕方を知らない人の料理を想像してみましょう。

 

リトミックの本は、ある程度大きな本屋に行けばたくさん有りますが、ほとんどは「方法」のみです。これでは、せっかく「やってみよう」と挑戦した人に、上手く行かなかった「失敗」をさせてしまうだけです。もっと、「教える」ための方法を示すべきだと思います。

 

それなので、今回紹介した本は、「教える」ということの根本を鍛える意味でとても有効だと思います。

 

「どうしたら、これを子どもに楽しんでもらえるか!?」
物ではなく「楽しさ」を売り込める指導者は、きっと子どもから良い反応をもらえるでしょう。

人を動かす、新たな3原則 売らないセールスで、誰もが成功する!

ダニエル・ピンク 講談社 2013-07-04
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