11月11日から五日間、ドイツの音楽療法を実際に学んできました。視察最終日、ホテルから徒歩圏内の病院へ。

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ここでは、昏睡状態の患者に対して行われている音楽療法の説明を受けました。

昏睡状態の解釈、対応について

昏睡状態とは、目も開けず意識が無い状態から、目は開いているが手足が動かない状態、というように一つの状態を指すものではない事、そしてそれは障害名ではなく「脳の病気」とう位置付けにあるそうです。

 

昏睡状態は診断名ではない、それなので意識を取り戻すまでをプロセスと捉え、それを手助けするのがセラピストの仕事ということです。

 

もちろん、ここでも多種に渡る心理療法が行われ、理学療法•作業療法•言語療法•そして音楽療法がチームとして患者に対して関わっているとのことです。

 

昏睡状態の患者に対する音楽療法

頻度としては、週に1〜2回い、一回の時間はその時の患者の様子により変動し10分〜30分との事です。

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主に使用する楽器として、ハープ(ライアー?竪琴?)、小さいカリンバ、音叉(のような大きめのもの)、エナジーチャイム、仏壇にあるような(所謂チーンと鳴らすアレ)物の大型のもの。どれも響きや振動が豊かな楽器です。

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関わり方としては、患者の様子に合わせていくことになる、これは昨日まで見学した施設でのクライエントへの対応と同じです。ただし、昏睡状態なので注意深く様子を見ていくことが必要になるようです。全体の様子、目は開いているか?その人のその日の気分は?

 

そして呼吸の様子を見て、最初に声での関わりから始めるそうです。言葉だったり、ハミングだったり、速さや息遣いなど患者の呼吸に合わせていきます。それは、「あなたに」を伝えるため、その音楽療法士は強調しました。

 

どんな音を出したか?に応える

患者にとって、「何かしなくては」と思わせるのではない。これは、昨日までにお話をしてもらった音楽療法士と同じ説明です。しかし相手は昏睡状態、患者は自分で選択できる事が極端に少ないです。

 

それなので、セラピストは「今はあなたの時間」と、伝えていくことに集中を要し、患者の反応に応えていくことで、対話の時間を作っていくとのことです。

 

そのために、ある音に笑うような反応があれば、その音を中心に進めたり、その逆で音を止めたり。寝ている状態であれば、寄り添うように。足の動きがあれば、楽器を当てて振動を伝えてみたり。

 

もちろん、患者の身体の状態は変わっていくため、毎回同じアプローチにはならないそうです。患者が「どこにいるのか?」セラピストは毎回、注意深く音楽をします。

 

昏睡状態の患者への音楽療法。日本でも行われています(某学会での講義は経験済み)。患者の呼吸などの状態に合わせていく、といったことはドイツと同様の気がしますが、やはり決定的に違う、となるのは「音楽の使い方」にある、とこの日の午後の見学からも強く感じた日になりました。

 

続く