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【リトミックの指導方法】物を使った活動での提示の仕方

2017年10月30日 by 藤原 大輔

「何だろう!?」と思わせることが子どもを惹きつけます

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スカーフや楽器といった物を使った活動での、より子どもの興味や集中を引き出す方法です。

 

「じらし」が子どもの興味をひきつける

物を使った活動は、子どもにとって非常に楽しみな活動になります。

しかし、ここで淡々と物を渡して活動を進めても子どもは好き勝手に遊ぶだけで、そこから活動に持っていくことは難しくなります。

「物を出す」という場面が子どもの興味や集中がこちらに向くピークといえます。

この瞬間を上手に活用することで、その後の活動が大きく変わってきます。

では、どのように「出す」のか?それは「じらすこと」がポイントになります。

子どもを集めて、次の活動に移る場面。

「さあ、先生はこんなものを持ってきました。」

例えば、このように物は隠したまま伝えるだけで「なになに!?」と子どもの注目が集まります。

その際、そのまま出して見せるのではなく、背中の後ろに隠して一瞬だけチラッと見せることを繰り返すと、「◯◯かな??」「わかった◯◯だ!」と、それだけで子どもの興味は最高潮を迎えます。

例えば音の鳴る楽器だったら、見せずに音だけを聴かせたりすることも「じらし」になります。

このように「興味」が高まっているということは、活動に対して集中していることになります。

それなので、「何をやるか?」といった活動の提示がしやすくなります。

いかに、こういった状態に持っていくか?「じらし」がそれを可能にします。

一回だけ使用できる、注目を集める裏ワザ

「じらし」が子どもの興味や集中を集める、ということを利用した裏ワザです。

子ども達が騒ぎすぎて収集がつかない!

そんな場面に有効な一回限りの技です。

騒いでいる子ども達の前で、ズボンのポケットに手を入れましょう。

その時「あれ?おかしいな?」という仕草を大げさにすることがポイントです。

しばらくすると、何人かの子ども達がこちらの様子に気が付きます。

半分くらいの子が「なになに?」と興味を向け始めたら、「あれ!?アレ!?」と大げさに声をあげます。

だんだん小声にしていき「…あった!」と言います。ここで子どもの興味は最高潮です。

「見たい?…じゃあ座って…」と伝え、全員が座った所で…。

「何もありませんが」と伝え、そのまま次の活動へ切り込んで行きます。

言ってみれば騙しているようなものなのですが、騒ぎがどうにもならない場合に有効です。

物の配布方法は活動内容によって変えていく

以前、物の準備は「使う順番で並べておくとよい」といった記事を公開したこともありましたが、活動内容によってはその限りではありません。

例えば、子どもを輪の状態でフロア真ん中に集める→子どもの輪の中で活動の提示、とします。

その場合、活動の提示してから、物を配布するのにわざわざピアノまで戻るのは時間のロスだったりするかもしれません。

最初からフロアの真ん中へ行くことが分かっているのなら、予めその近くに置いておく、または最初から手にしている方が効率的な場合があります。

配布方法のあれこれ

人数が少ない場合は、こちらが一人ひとりに物を手渡していってもよいのですが、大人数の場合は時間がかかります。

既に手渡されている子と、これから手渡される子のどちらも「次の活動」まで空白の時間ができることになります。

この空白の時間は、子どもの集中を恐ろしく無くしてしまい最悪の場合、収集がつかない騒ぎになります。

なるべく、こうした空白の時間を作らないためにも配布方法を考慮していく必要があります。

人数が多い場合、箱(カゴなどでも可)に入れて「取りに来てください」とした方が配布は早く完了します。

その場合、注意すべき点は、箱が一つだと一気に人数が集中するためトラブルの元になることです。

人数が多いときは箱を複数用意して、それぞれを離して設置するとスムーズにいき安いです。

物を持った状態の子どもは「聞けない」

物を持った状態にある子どもは、興味集中が全て物に行っているのでその後の指示が入りにくくなっています。

活動中に指示を加える場面がある場合は、一度回収して子ども達を手ぶらの状態にしなければなりません。

上記のように箱で「取りに来てください」と活動を始めていたら、「一度戻しましょう」と声をかければ良いです。

年齢が低いほど、物を手に持っていると話は入りにくくなります。

5歳児くらいであれば、「下に(床に)置いて下さい。」という指示を理解してもらえるので、短時間の活動提示であれば話を済ますこともできます。

注意事項の説明

物を持った状態の子どもは、時には活動を忘れて自分の遊び(物に没頭する)に熱中してしまいます。

それ自体が悪いことではないのですが、全体の活動が破綻してしまうなど結果的に望ましくないことにもなりかねません。

それなので、予め子どもの行動を想定して物を渡す前に「注意事項」の確認をしておく必要があります。

かといって長々と話していては活動のテンポを崩す上に子どもの集中が無くなっていくので、端的に短く伝えるようにします。

棒状のものは「たたかない」

楽器にしろ物にしろ棒状のものはチャンバラ的な行動を誘発します。

この行動で起こりうる事は「たたく」「たたかれて痛い」といったトラブルです。

それなので、渡す前に「お友達を叩かないでください」と確認するようにします。

布状のものは「ひっぱらない」

リトミックでは「スカーフ」を使うことがありますが、このスカーフは丈夫なものではありません。

使い方によっては過剰に引っ張りすぎて破れる、なんてこともありますので「破れやすいです。」「強く引っ張らないでください」と伝えます。

また、相手に巻きつけたりする行動も想定されるので、危険がないよう活動中は子ども達全体の動きをよく見ておきましょう。

楽器は「こうやって使います」

子どもは楽器を想定外の使い方で扱うことがあります。

提示の際に「こうやって鳴らします」と実際に見せて使い方を知らせていきます。

ただ、想定外の使い方をするからこそ活動が面白くなる、とも言えます。

もし、使用する楽器が高価なもので、どうしてもそれを使わなければ活動が成り立たない、という場合は正しい
使い方を知らせておく必要があります。

そうでない場合は、思い切って自由に使わせることもアリかと思います。

次回は声かけをする際のテクニックについてお伝えします。

【リトミックの指導方法】いかにして伝わりやすい声掛けになるか?

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Filed Under: リトミックの指導案 関連タグ:リトミック, 即興, 子ども, 指導法

About 藤原 大輔

保育士/公認心理師/認定心理士/リトミック講師(Institute Jaques=Dalcroze承認 エレメンタリー免許)。0年以上、延べ5万人以上の子どもにリトミックを教えてきてた現役のリトミック講師。保育教育の現場だけでなく、障がいを持つ子どもへの療育も行い、幼児期の子どもを中心に0歳児から中高生の子どもと関わるプロフェッショナルとして活動している。

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