一つずつ、確実な設定が最高の活動になっていく!

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小さい目標が重なって一つの活動としていきます。

 

リトミックの目標を立てる

指導案を立てる際に気をつけなければならないのが「リトミックの目標を決める」ことです。

これをしないとどうなるのか?

例えば「ボールを使う」といった活動を考えたとします。

ボールを使うには、どんな活動にしていくべきか…あれができる、これもできる…。

これがダメなわけではありませんが、これでは「ボールを使う」ことに固執してしまいリトミックの目的が薄くなってしまいます。

そんなにボールを使いたければ、リトミックである必要もなくなります。

もちろん、「ボール」から出発してリトミックの目標と辻褄を合わせていくことも可能ですが、よっぽど経験を積まない限り中身のある活動にしていくのは難しいでしょう。

あくまでも「リトミック」として活動を行うのであれば「リトミックの目標」から中身を考えていくべきです。

一つの目標が分かれて一つ一つの活動になる

一つの目標を、どうやって限られた時間で達成していくか?

同じことを30分間行うことは難しいです(子どもが飽きてしまいます)。

そこで、一つの目標を細かく分割、そして「逆算」して考えます。

例えば、「3種類の音楽を聴き分けて動ける」という目標とします。

最終段階で「3種類」が聴き分けられるとするなら、それより前の活動は簡単なものでなければいけません。

2種類の音楽が聴き分けられれば3種類にいけるか?
じゃあその前に1つずつ経験した方が確実か?
そもそも音楽に合わせて動けるか?

これを整えると例えばですが、

  1. Aの音楽に合わせて動く
  2. Bの音楽でも行う
  3. AかBのどちらかが演奏されるのでそれぞれに反応して動いてみる
  4. Cでも動いてみる
  5. 3種類を聴き分けて動いてみる

というように細分化したことになります。

いきなり「3種類を聴き分ける」に挑戦するよりも、順を追った方が目標は達成しやすいです。

このように、活動は一つの目標を細かくしていく、スモールステップで組んだ方が進めやすいです。

活動を発展させるタイミングは8割が出来ていたら

スモールステップで組んだ活動は、進むごとに難易度が上がる、つまり発展させていくことになります。

この発展のタイミングは早くても遅くてもいけません。

早ければ、理解が出来ていない子が取り残されてその子は活動に興味を示さなくなります。

遅ければ、理解の早い子が飽き始めてしまいます。

適切な発展のタイミングは「全体の8割が出来ている」と思われた時です。

集団で行っている場合は、全員が出来るようになるのを待っていることは難しいです。

しかし、8割の子が出来ていればその子達がモデルとなり「集団」の力が作用します。

そうすると、2割の子はモデルを頼りに流れに追いついていくことが出来ます。

反対に8割の子どもが出来ない場合は、その活動は無理があるとして止めることも必要です。

完璧を目指さない

ちょっと矛盾しますが、8割の子が出来るまで!と躍起になる必要はありません。

完璧を目指さず「まあ、半分くらいの子が出来ればオッケー」と望む場合の方が良かったりもします。

活動を進める上で一番大切なのは「子ども達が楽しめること」です。

いくらこちらが立てた目標が崇高なもので、大人の事情で絶対にその日にクリアしなければいけないとしても、そんなものは子どもにとっては知ったこっちゃありません。

何より「つまらない」と感じたら、子どもは乗ってくれません。

目標か子どもか、どちらを優先するかはその時の状況で判断していけばよいです。

視線を変えていくことで「飽き」を回避する

いくら活動をスモールステップで組んだからといって、子どもが飽きることなく活動を進められるかといえば、そんなことはありません。

5つに分けた活動が全て同じようなものでは、結局一つの活動を続けているようなものです。

そこで、子どもの「視線」を変えていくことを意識して活動を組みます。

例えば、

 

  • 1番目の活動はフロアの真ん中で動いた。
  • 2つ目は反対方向に動いた。
  • 3つ目は活動の説明を聞く際に壁際に並んだ。

 

 

というように、やっていることは同じでも、その時の子どもの場所や空間、方向を変えていくのです。

それだけで、活動の新鮮さが感じられ「飽き」を感じさせないようにしていけます。

活動に入らない子どもへの目標の立て方

子どもによっては活動に入りたがらない子がいます。特にリトミックを始めた最初の頃、3歳児のクラスでいます。

そういった子には、リトミックで行う活動目標より以前に「集団での活動に参加する」という目標を立てることが必要です。

とはいえ、集団を動かしながら、その子一人にも関わっていく必要はありません。

むしろ無理に参加を促すことは逆効果です。

そもそも参加する、ということは「一緒に動く」だけではありません。

「一緒の場にいる」だけで十分参加しているといえます。

それなので、その子の最初のステップとして、同じ部屋で「見ている」ことから始めるとよいでしょう。

「見ている」ことで、どんなことをやっているのか見通しが持てて、それが次第に参加への動機に繋がってきます。

もし、可能なら担任だったり親だったりが側で「見てるだけでもいいよ」と一緒にいられると、子どもも安心するはずです。

誘うタイミングは「笑顔」が見られたら

「見ている」だけの子どもも、そうした参加回数を重ねると場に慣れてきます。

そして、行っていることや、子ども同士の出来事を見て緊張した顔ではない「笑っている」様子になる場合があります。

そうした姿が見られたら初めて「◯◯くん(ちゃん)もやってみる?」と誘ってみるとよいでしょう。

または、側についている大人と事前に打ち合わせしておいて「後押し」してもらうのも手です。

1回目の誘いで入れる子もいれば、やっぱり入れない子もいます(無理しなくていいからね、とフォロー)。

しかし、こうした「誘われる」という経験を重ねていくことで「やってみようかな」という気持ちになっていくものです。

全体での活動に巻き込んでいく

集団の力はすごいもので、全体がわーっとやる気に満ちた時は、泣いていた子もケンカしていた子も活動が始まると一気に活動へ巻き込まれて気持ちを切り替えていきます。

「見ている」だけの子も同様です。

例えば、スカーフを使う活動。

一人ひとりに手渡したり、「箱から取っていって下さい」とする場面で気がつけば「見ている」だけだった子がいつの間にか一緒になってやっていたりします。

こうした全体での勢いに巻き込んでいくのも一つの方法です(もちろん無理強いはせず)。

私の経験上、「見ている」だけだった子はみんな、こういった様子で「いつの間にか一緒になって楽しんでいた」という参加でした。

「見ている」だけの子は、じつは「見ている」ことで経験を内的に積んでいて、あとはエイっと飛び込んでいく機会を待っているだけだったりします。

 

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