今回は、指導案の紹介をしたいと思います。

今回の内容は、実は以前のブログで何年も前に紹介したものなのですが、改めて見なおしたら改良の余地がある、と思い再掲することにしました。

公開指導案「帽子おばけゲーム」

※以下、内容については昔のブログから引っ張ってきております。そして、一部加筆修正をしてあります。

この指導案は「保育士」という立場から「ダルクローズ」を応用する、といったスタンスであり「リトミックベース」の活動指導案です。それなので、純粋な「ダルクローズ・リトミック」の指導ではありません。

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今回はこの中に掲載されている「帽子おばけ(P.40)」を利用した活動の指導案についてご紹介します。このようなアイテムを使用する場合の利点は??自分は以下の点に注目しました。

 

・子どもにイメージを与えやすく、世界に入り込んで集中出来る

・物を使用する事で、ゲーム内容やルールの明確化

 

使うもの(帽子おばけ)は、特に凝った作りではなく大した物ではないのですが、子ども達にとっては十分遊べるものです。このような100均で売っている帽子でも十分イメージを膨らませるアイテムとなり、活動に弾みがつきます。

 

そして、ゲーム内容については後述しますが、物を使う事で視覚的にも触覚的にも(もちろん聴覚的にも)情報が増える分、ルールが分かりやすくなります。結果が把握しやすくなる、ということです。

指導案

☆活動
「帽子お化け」
☆対象
・4~5歳
☆内容

・輪になって座る・音楽に合わせて帽子を回していく

・帽子を受け取った際、合図音が鳴ったら鬼となる。

・鬼は帽子を被せに行く、他の子は逃げる

・帽子を被せられた子から再開

 

☆目的

・集団での遊びを楽しむ、集中して聴く

・音楽に合わせる

 

☆使用楽器
・たいこ(音が十分に鳴るものが望ましい)

指導の流れ

・導入

子どもにゲームをする事、輪になり座って準備する事を伝える。準備ができた段階でルール説明をする。まずは帽子の紹介、「この帽子はただの帽子ではありません、被った人はたちまちオバケになってしまいます…。」といったような説明をする(イメージを膨らまし、ゲームをより意識させる事で活動が確かなものになります)。

 

次に、帽子を回す練習、最初はとにかく隣に回していくだけでよい。

 

一周したら一度止めて「どうぞ~ハイ!」のハイ!で隣の子の手に帽子を乗せるよう説明、指導者と一緒に「どうぞ~ハイ!」と喋りながら回していく。その際、ズレてきたら一度止めて、全員が拍に乗ってタイミングを合わせていけるよう修正していく。

 

ある程度、動きが揃ってきたら止めて、今度はたいこによる音に合わせて行う。

・合図を音楽にしていく

音は1拍目を二分音符(なので2拍分となる)、3拍目が四分音符で。そして、4拍目を八分音符など細かい音で(リズムにする)。

 

これに先程の言葉を乗せ3拍目「ハイ!」4拍目「どう」1拍目「ぞ~」とする。

 

つまり、言葉は3拍目から始まる(弱起)。それなので

 

(3.「ハイ」4.「どう」)1.「ぞ」2.「〜」3.「ハイ」4.「どう」1.「ぞ」

以下繰り返し、となる。

 

たいこのリズムは、(文章にすると分かりづらいが)

 

1.2ターン3.タン4.タタ

 

となる。「ハイ、どう、ぞ〜」が「タン、タタ、ターン」という感じです。

2~3回音に合わせて喋る練習をしたら、実際に帽子を回しながら行う(回し始める合図は、指導者が「いち(1)、に(2)、ハイ(3)、どう(4)、」とカウントする、次の1拍目から音を出し子どもは回し始める)。とにかく 一拍目の「ぞ〜」で隣の子の手に帽子を乗せる事を意識させていく。

 

ここまでを3分以内(人数にもよるが)でテンポよく進める。言葉での説明は、なるべく少なく、かつ一つの事柄を明確に10秒以内ですると伝わりやすい。

 

・活動の流れ
導入からの続きで、唐突に合図音を入れる(低音域を適当にまとめて弾いた音だったり減三和音だったり、なにかオバケを連想させるような音)。

 

子どもが「何事?」と注目するので、すかさず説明。「この音が鳴ったら、帽子を持っている子は誰かに被せにいきます。帽子を被った人はオバケになってしまうので…逃げる!」状況を理解した子から逃げ始めるので、残っている子と帽子を持った鬼役の子を「鬼ごっこ」の形になるよう促していく。

 

鬼役が帽子を他の子に被せるか、ある程度時間が過ぎたら止めて終了。ここまででゲームのフォーマットは出来上がっているはずなので、「さあ、もう一回やろう」と伝え、最初の輪になって座った状態になる。

 

音楽に合わせ「ハイ、どう、ぞ~」と喋りながら行う事で、全員が拍を共有する事ができ、合わせやすくなるが、慣れてきたら「ハイどうぞ、は心の中で言おう」と伝え、一人一人が「聴いて合わせる」ことに集中していけるようにする。

 

・発展
「合図音で反対回しにする」

合図音は高音域で短二度の音だとわかりやすい。また、合図音を入れるタイミングは、1拍目にする。その方が受け取った人から反対回しに出来るのでスムーズ。最初にこのルールを下ろす時は、指導者が動きをやってみせて、その後に練習をしてみるとよい。

 

「テンポを変える」

速くしたり遅くしたり。急激な変化ではなく、少しの変化から始める。

 

「帽子の数を増やす」

数が増えた分、自分に帽子が回ってくる回数が増えるので、よりスリリングに。2つの場合は輪の向かい側に片方が回る形に、3つの場合は輪を上から見ると三角形の形になるよう帽子を配置して始める。

補足

なぜ、「ハイ!」の1拍目が二分音符なのかというと、リズムは長い音(音価)の方がアクセントを感じやすいという特性があるからです(アゴーギグアクセント)。

そして、「ハイ!」という言葉自体にもアクセントがあります。音楽に合わせ帽子を回す重要なポイントなので、音楽でも言葉でも明確にする必要があります。

 

最初の内は「オバケ」というイメージが先行し、音楽に合わせるどころではなくなると思います(帽子をポイっと投げ渡したり)。まずは、ゲームのフォーマットを定着させるつもりで行い、子ども達が内容に見通しが付いて慣れ始めてきてから「音楽に合わせる」事に注目させていきましょう。

 

また、「オバケ」はとても刺激のあるイメージなので、子どもによっては拒否反応を示す場合があります。その傾向が強い(、と予め分かっていればですが)集団でゲームを初めて行う場合は、単に「帽子を被せられた人が鬼」というように鬼ごっこの延長として伝えるとよいでしょう。

 

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