まずは5音即興法に慣れるための準備運動をしていきましょう。ここでは、指や手に鍵盤の感覚だったり、5音を実際に弾く「鍵盤の幅間隔」だったりを馴染ませていくことが目的です。ピアノに慣れている方であれば少しだけ以下の方法を行ってみてください。ピアノが不慣れな方は、まずはここから練習をしていくつもりで取り組んでみてください。
では、右手を真ん中の「ド」に置いてみましょう。お使いのキーボードによっては、どこが真ん中の「ド」なのかわからないこともあるかもしれません。目安として、キーボードの真ん中あたりです。そして後で弾きますが、左手部分が担当するひとつ下の「ド」が左にあることも確認しておきましょう。
「ド」の音を親指で弾いてみましょう。すると、自然と人差し指は「レ」、中指は「ミ」といった形で「ソ」まで1音ずつ各指が弾ける形になるはずです。これを基本のポジションとします。
まずは、自由に好きなように音を鳴らしてみましょう。「ドレミファソ」と順番に弾いたり、「ソファミレド」と逆から弾いたり。それだけでなく何も考えずにバラバラに弾いてみるのも良いです。
ピアノが不慣れな方にとっては殆どの人がそうだと思いますが、薬指と小指、音でいうと「ファ」と「ソ」は弾きにくかったりしませんか?日常生活で、薬指または小指を単独で動かすなんてことはそうそう無いので難しいと思います。
しかし、こればっかりは慣れるしかありません。今はもどかしいかもしれませんが、練習を続けていけば筋力がついてきて、やがて弾けるようになるはずです。積極的に動かしていき、弾けるようになりましょう。
今度は左手で真ん中の「ド」から一つ下、1オクターブ下ともいいます、この「下のド」を弾きましょう。その際、指は小指で弾くようにします。もしあなたが右利きの場合、ただでさえ慣れない左手なのにしかも小指で弾くの??とお思いかもしれません。音を出す分には人差し指でも何指でも構わないのですが、これにもきちんと理由があります。
最初の説明で、「左手は「ド」または「ソ」の音を弾く」とお伝えしました。もし、人差し指で「ド」を弾いていたとすると、「ソ」を弾く場合、指を横にスライドさせる必要が出てきます。とても無駄な動きをすることになってしまいます。
しかし、小指で「ド」を弾いていた場合、「ソ」の音はスライドさせることなく、親指で自然に弾けます。つまりこの弾き方のほうが、せわしなく左手を動かさずに合理的に弾くことが出来るのです。それなので、左手の「ド」は小指で弾くことが左手の基本ポジションになります。
しばらく、以下のように自由に弾いてみましょう。
- 左手で「ド」の音を弾く
- 左手の音は出し続けたまま(残したまま)、右手は自由に好きな音を弾く。
まずは、左手で弾かれる「ド」の上に右手の音が重なっている、という感覚を味わってください。この弾き方をしている時、今まさにあなたは両手でピアノを弾いています。
ある程度、指が馴染んできて弾くことに慣れてきたら、次の段階です。好きなタイミングで左手の「ド」を弾くようにしてみましょう。例えば、右手が1234と4つの音を弾くタイミングに合わせて1音目のみを左手も入れる、といった規則的に弾いてみたり、毎回左手と右手を同時に弾いてみたりです。色々と試してみてください。
5音即興法の弾き方の感じが大体掴めたでしょうか?今の段階では、「こう弾かなければいけない」といった正解不正解はありません。ただただ、両手を使って音を出していくという感覚を味わい、そして手に馴染ませていきましょう。