
ピアノの弾き方に「指またぎ」というものがあります。これは字のごとく「指をまたぐ」ということなのですが、音を連続して弾いていくような長いメロディの場合はこの技術が必要になってきます。
例として「ドレミファソラシド」と弾いてみるとします。親指から小指まですべて使って弾くと「ドレミファソ」と5音まで弾けることになります。
しかしこれでは残りの3音「ラシド」は、手を大きく右に素早く動かして弾かなければいけません。この手の移動がタイムラグとなる場合があり合理的な弾き方とは言えません。
このような場合、パッと手を移動させるのではなく指をまたがせることでスムーズな手のスライド移動が可能になり、結果、音を弾き続けることが出来ます。
指のまたがせ方ですが2種類あります。低い音から高い音へ進む場合と、その逆の場合です。
「ドレミファソラシド」と弾くとします。まず、低い音から高い音の場合ですが、親指から始め「ドレミ」と中指まで弾きます。

次の音「ファ」を薬指ではなく、親指で弾きます。この時、親指は中指の下をくぐり抜けていくことになります。後はそのまま人差し指で「ソ」、中指で「ラ」薬指で「シ」、そして小指で「ド」と弾くことが出来ます。
次に逆のパターンです。「ドシラソファミレド」と右から左へ降りてくるようにしましょう。
小指で「ド」を弾いてスタートします。薬指で「シ」、中指で「ラ」、人差し指で「ソ」、親指で「ファ」、ここまでは先程の逆パターンです。
残りの「ミレド」ですが、指またぎを行います。中指で「ミ」を弾くようにします。この時、中指は親指の上を超えていき弾くようにします。後は人差し指で「レ」、親指で「ド」と弾きます。

指またぎを使う場面は、その曲の弾かなければいけないメロディ次第ではありますが、指の動きを合理的にするためには必要な技術になります。
もし、何かしらの曲を練習する際に、どうにも弾きにくいと感じることがあったら、指またぎや指の順番を工夫してみましょう。それが解決策になったりすることがあります。