
ピアノを両手で弾く、ということは右手と左手がバラバラに違う動きをしていることになります。
右手ではAを弾いて、それと同時に左手ではBを弾いて、というように。そう思うと、ピアノを両手で弾くことなんて、とても難しいことをしているように聞こえます。実際、複雑な事をしているのだと思います。
しかし、それぞれの手は好き勝手に、また秩序なくバラバラに動いているわけではありません。実は、音楽のルールに則った動きをしているに過ぎません。
超絶技巧の、弾くこと自体が困難な楽曲であれば話は別ですが、だいたいは役割やパターンに沿って弾かれていたりします。
それなので、左右それぞれの手の役割やパターンを把握した上でピアノに望んでみると、案外難しいことをしているわけではないことに気がつけます。
そして、さらにその役割やパターンから難しいものを取り除いていけば、「弾く音はたったこれだけでいいの?」と思うくらいシンプルなものに出来ます。
逆に言えば、弾かれている音を断捨離していき「必要なものだけ」を残していくのです。そこまでいけば、初心者でもピアノを両手で弾くことは、そう難しいことはありません。ちなみに言うまでもありませんが、もちろん練習は必要です。
ここで、テーマの結論部分を言います。両手の役割を決めるとはどういうことか?それは右手はメロディを、左手は1つか2つの音だけのパターンを弾けばよいのです。

例えば、ピアノを習ったことがない方でも、ピアノや鍵盤ハーモニカなどでメロディをなぞって弾いてみたことはありませんか?和音など難しい要素は抜きにして、たどたどしくてもポロポロと弾く程度です。
右手はそれでOKです。シンプルにメロディのみ弾ければいいのです。
メロディとは音楽を構成する上で重要な要素です。言ってみれば主役です。これがなければ音楽の魅力は大きく減ってしまいます。
大げさではなく、右手がメロディを弾きさえすれば、もうそれで音楽は成り立ちます。そして左手は、ものすごく単純なパターンだけを弾けばいいのです。
ところでパターンとは何でしょう??もし、幼稚園や保育園などの先生をされている方だったらおわかりかもしれませんが、童謡などの楽譜では左手が「ドソミソ」と弾いているパターンがあったりします。
これもパターンであり、具体的に説明すると和音、コードの音を分散させて弾くことで伴奏の形を作っていることになります。でも、ピアノ初心者にとって「ドソミソ」を弾き続けるなんてことは困難です。
私も保育士であった当時「こんなん弾けない」と感じておりました。この「ドソミソ」に手を入れましょう。もっと単純に出来ます。そうすることで、左手が担う負担をグッと減らせることができます。
まとめると、右手は単にメロディを、左手は簡単なパターンを弾くだけです。こう思うと両手で弾くことなんて、なんとかなると思いませんか?実際、何とかなります。音楽を構成している本質的な部分はとてもシンプルなものなのです。そこだけを弾きましょう。