リトミックで使用するピアノについて、もう少し掘り下げていきます。
おそらく、これからリトミックを始めたい皆さんが一番懸念していることってピアノではないでしょうか?
自分に弾けるだろうか?大人になってからでも身につくものだろうか?
答えはイエス、誰にでも弾けますし、大人になってからでも十分習得できます。
なぜ、こう言い切れるかというと私がまさにそうだったからです。
もし、リトミックのためにこれからピアノも始める、というのであれば解決策は「リトミックのためのピアノ」だけを身につける。これにつきます。一からピアノを習うのは遠回りです。このあたりのことを、これからお伝えしていきます。
リトミックでのピアノの役割について
リトミックの中で弾かれるピアノというのは、言ってみればゲームのルールを提示している、といえます。
例えば、マリオのようなテレビゲームを想像してみてください。ゲームが始まりました、キャラクタをコントロールして進んでいきます、敵が出てきます、それに反応して避けたり踏んで倒したりして対処していきます。
こちらは視覚的に入ってきた情報をもとに、キャラクターをコントロールしていきます。
リトミックは自分自身が操作するキャラクターになり、聴覚的に判断して、特定の動きで反応していきます。
弾かれるピアノが動いていくこと、反応を促すような合図や音楽を提示していくのです。
リトミックでの即興演奏について
リトミックに欠かせない要素に即興演奏があります。
例えば一つ前のレクチャーで弾かれたピアノ、あれを譜面通りに弾くのではなく即興で弾くのです。
なぜ、その必要があるのかと言うと、リトミックでは即時的に反応して動いていく、表現していくといった能動的な経験が求められるからです。
もし譜面通りでは繰り返すうちに覚えてしまい即時的に反応していくことにはなりません。
もし、子ども達の活動だと、同じことを繰り返すうちに飽きられてしまいます。その点、即興演奏だと、こちらがルールをコントロールしていけることになるので、子ども達からすると毎回新鮮なので興味が長続きします。
もちろん、必ずしも譜面どおりがいけないわけではありません、活動の目的次第です。しかし、リトミックでは即興演奏をベースに活動が進められるということを知っておいてください。
リトミックでは、これからピアノを始める人のほうが有利だったりすることがある
このシリーズでお伝えしたいことは、一般的に「ピアノが弾ける」と言われるためのピアノと、リトミックのためのピアノは求められることが違う、ということです。
一番の理由は、リトミックでは一般的には馴染みのない「即興演奏」が求められるからです。
そのため、小さい頃からピアノを習っている人がリトミックでもそのまま通用するかと言うと、そうでもありません。
なぜなら、即興演奏は譜面など用意せず、その名の通り即興で音楽を進めていくのですが、ピアノ経験者は譜面を前提に弾くことに慣れているため、それが無いという状況に慣れていないことがほとんどです。
それなので、小さい頃から譜面に慣れている人ほど即興演奏に拒否反応を示したりします。
譜面が無いと不安になり何も弾けない、という方を私は大勢見てきました。逆に言うと、大人から始めた人にとっては、譜面の呪縛にとらわれない分、即興演奏に馴染みやすかったりします。
私もそうでしたが、譜面がそもそも苦手なので、無いほうがストレスなく弾けたりします。
弾けるためには練習は必ず必要ですが、これからリトミックを始めたい人、同時にピアノも始めたい人は恐れずに「リトミックのためのピアノ」に挑戦しましょう。