ノードフ・ロビンズ音楽療法のワークショップに参加してきました。
ノードフ・ロビンズ音楽療法 NYでワークショップを受講!1 | 子どものあそびそだて方
今回は、その中身についてです。
少人数制で内容の濃いワークショップ
ニューヨークで行われているワークショップだからといってアメリカ人参加者ばかり、ではありませんでした。
むしろ、海外勢がほとんどです。
私が参加者した回の参加者は、アメリカ、スペイン、香港、韓国、そして日本(自分一人)。
私を除いてみなさん英語が堪能!そして当然通訳なしの100%英語の環境です。
参加者は私も含め全員が、何らかの形で音楽療法に関わっています。
それぞれの専門領域は違えど、ノードフ・ロビンズのアプローチはやはり興味津々、といった様子でした。
貴重な動画とともに進められる講義
講師陣は、Alan Tarry先生とMichele Ritholz先生の二人がメインでした。
アラン・タリー、その名は数あるノードフ・ロビンズ関係の書籍で必ず名前が出てくるくらいの人物です。
講義で使われる動画は、一般的に外に出回っていないものばかり(個人情報の観点から当たり前、ですが)。
ある事例のセッションを初期から時系列に見ていき、クライアントの変化を説明と共に見ていきました。
また、ノードフ・ロビンズといえば障がい児に対するセラピーが専門に見えます。
しかし、青年期や高齢期のクライアントに対するセラピーもあったりと、幅の広さや有効性が動画や話から伺えます。
ちなみに、講義についての私の説明がモヤモヤしたものになっています。
それは、私が3割ほどしか英語が理解出来なかったからです。
参加するまでに、相当勉強して簡単な日常会話はこなせるようになったのですが…。
ニューヨーカーの早口に加えて専門用語の飛び出す講義は大変!と言い訳をしておきます。
来年、参加ようと思っている方はヒアリングを中心に英語を鍛えておくことをオススメします。
ただ、どちらの先生も「もっとゆっくり話した方がいいかい?」なんて常に気を配ってくれました。
雰囲気はとても和やかです。
即興演奏の実技系講義
ワークショップの半分は実技の講義でした。
ジャズやゴスペルなどコード進行をもとにした例。
モードやホールトーン、ペンタトニックといった無調性のものなど。
私にとってリトミックとも共通の技法なので馴染みがありました。
ただ、その使われ方は後述しますが別物です。
一つのテーマをとりあげ、一人ずつ試してみたり、ピアノで連弾してみたり。
時には好きな楽器を持ってきて全員でフリー即興してみたりと、とても和気あいあいとした講義です。
ちなみに、申し込み時に自分の専門楽器を伝えるのですが、ピアノに限られません。
「ピアノ、またはギターなどオーケストレーションの可能な楽器を弾けること」となっていました。
なので、私はアコーディオンを持ち込みました。もちろん問題なく講義に参加出来ました(!?)。
その人の「音楽」を引き出すのが目的
ノードフ・ロビンズといえば、即興演奏がメインです。
セッションの中で生まれた既成曲を使ったりもしますが、中心は即興演奏です。
なぜ即興演奏なのか?というところにノードフ・ロビンズのとても特徴的な理由があります。
ノードフ・ロビンズ音楽療法のセッションでは、クライアントと音楽をすることが目的にあります。
そして、音楽をクライアントのために弾くのではなくて、音楽を創るお手伝いをする、というスタンスなのです。
また、「あらゆる障害でも、人のコアにある音楽性を邪魔できない」という考え方。
そのコアに働きかけて、その人の良い影響を引き出すというものです。
何かの症状を治療する、改善するということは二次的なものとして、何より人間らしい歓びのある姿(つまり音楽している、ということ!)をねらいにしています。
動画で見られたクライアントは、みんな音楽をしています。そして誰もが楽しそうです。
まさに「遊んでいる」状態に見えます。私が、この音楽療法に惹かれるのは、まさにここの部分です。
リトミックでの即興演奏は「経験させるため」の演奏。
ノードフ・ロビンズでの即興演奏は「共創するため」の演奏。そんなイメージです。
参加した分だけ返ってくるワークショップ
講義の他に、自分の取り組んでいることで出てきている悩みなどにアドバイスしてもらえる時間もありました。
公開スーパービジョンのようなものです。
私は最終日に、意を決して手を挙げ名乗り出て見ました。
つたない英語で説明するのは大変でしたが、実際にやって見せて、その上で頂いたアドバイスは目からウロコものです。
「シンプルな方が伝わる」
ある私の取り組みに対して、私は難しいことをしようとしていたみたいです。
すぐに自分のやり方を変えられるわけではありませんが、はっきりと次を指し示された気分です。
参加してみて
講義自体はとても良い雰囲気で進められます。何よりアラン先生の人柄は最高です。
講義内容については、やはり英語が出来ないと難しいです。ヒアリングと、簡単な質問の仕方を自分の中にストックしておくとよいと思います。
私は今回参加をしてみて、自分が確実に以前よりレベルアップしているのが実感できます。
それは、単純に四日間のワークショップに参加したから、ではありません。
参加申し込みをしたのが2月。それから当日まで、準備をしてきたことがその要因です。
英語の勉強、少しでも講義に慣れるためにノードフ・ロビンズ本の原文にひたすら触れる。動画を見聞きする。
講義で弾けない状態即興にならないよう練習。
英語もろくすっぽ話せない日本人が、現地のワークショップに参加する。それだけで一大事です。
何より普通に講習会に参加するより、はるかにお金がかかっています。
頑張らないわけがありません。
私にとっては、自分を追い込む意味でも参加して良かったと言いきれます。
もし、私のようにノードフ・ロビンズに興味があって自分を追い込みたい人がおりましたら激しく参加をオススメします。
英語ができる人はもっと気楽に参加できるでしょう。