誰でも手軽に活動できる!
活動のアウトライン
【活動1.♪はじめよう、の歌に合わせて手を鳴らす】
【活動2.タンバリンに合わせてクラップする、合図に反応する】
【活動3.音の高低に反応して動く】
活動ペースの目安
【活動1】〜1分
【活動2】〜2分
【活動3 発展1.2.3】〜7分
活動
【活動1. ♪はじまりのうた、をうたう】
【活動2.タンバリンに合わせてクラップ、合図に反応する】
前回同様のものです。活動2は、タンバリンの「音の強弱を変える」という変化を入れてもよいでしょう。
【活動3.音のテンポに反応して動く】
第1回と第2回ではタンバリンを使用し、前回は鍵盤ハーモニカを使用しました。これは、「音」をルールとして動いていくために「聴こうとする」ことを段階を踏んで体験させていくという目的がありました。 最初はタンバリンで単純に「テンポの違い」、次に「音の強弱」と「聴いてみてわかりやすい」ものでした。次にメロディ楽器での「音の高低」、これは自分から「聴く」ことをしないと判断が少し難しいものです。
そして「指導のための演奏」も僅かに、ですが難易度を段階的に上げていっています。これは、今後音楽的なルールを増やしていくためのもので、簡単な即興演奏にもつながります。 今回の活動では、鍵盤ハーモニカでのメロディパターンをもう少し増やし「その場で」展開を変えていけるといった「即興的」なものになっています。そうすることで必然的に子ども達の活動も「即時的に」反応していく難易度の少し上がった活動になってきます。
1.絵を見せる
※事前準備として【絵2「館内」】の後ろにポケットを作って【絵3「イルカ」】と【絵4「タコ」】を入れておくようにします。
↓以下クリックでpdfファイルが開きます
1-1
導入部分は子ども達が座った状態から始めます。今回のテーマは「水族館」なのですが、いきなり提示するのではなく、クイズのようにして遊びながら提示していきます。
「生き物がたくさんいます」「ライオンとかゾウとかはいません」「海の生き物がたくさんいます」と少しずつヒントを出していき「どこでしょう??」と聞いてみる流れにします。年中以降の子どもであれば、答えが出てくるとは思いますが年少の子では難しいかもしれません。「す、がつくところ」「す、い、ぞ、く、か、…?」とヒントを出し続けていくとよいでしょう。
とはいえ、答えに正解させることが目的ではなく、あくまでイメージを膨らませるだけの導入段階です。あまり長引かせる必要はありません。
「水族館」と答えが出た所で、「みんなは行った事はある?」「どんな生き物がいるか知ってる?」と問いかけ、イメージを全員で共有していきましょう。こうした何気ないやり取りが、子どもの興味を活動にひきつけることになります。
1-2
【絵1「歩いてる子」】を出します。「この子(特定の名前を付けてもよいです)は水族館に来ました。どんな生き物がいるのでしょうか…?」とお話を始めます。絵1を歩いているように動かします。「テクテク」と擬音をつけると効果的です。これは、「水族館内の生き物を歩いて探す」といった活動のルール提示になります。
しばらく「歩くいて探す」を行ったら【絵2「館内」】を出します。「ここには何がいるでしょう…?」と言い、後ろから【絵3「イルカ」】を少し出します。第一回の「動物」の時のようにじらしながら見せていくことで、子どもの注目を集めるようにします。
【絵3「イルカ」】を出したら左右に素早く動かし、「イルカは、泳ぐのがとっても速いです」と見せましょう。「イルカ=速い」のルール提示です。次に最初の状態に戻り、「次は何がいるかな?」と【絵1「歩いてる子】を再度テクテクと歩かせます。 今度は同様に【絵4「タコ」】を出します。じらして出して、全員に正解の姿を見せたら「ゆっくり、のっそり」動かします。「タコはゆっくり、動きます」と「タコ=ゆっくり」のルール提示をします。 ここで、ここまでのストーリーを追っていくようにまとめを行います。
【絵1「歩いてる子】を見せて「何かいるかな~?って歩いて探していたね」と「歩く」を提示。「最初に出てきたのは…そうです泳ぐのが速いイルカでした」と【絵3「イルカ」】を見せ「速い(走る)」を提示。同様にして【絵4「タコ」】を出し「ゆっくり(動く)」を提示します。 「歩く」「速い(走る)」「ゆっくり(動く)」の3つを確認したところで活動に入っていきます。
2.動きの提示、活動
「速い(走る)」場合と「ゆっくり(動く)」場合のルールを提示していきます。「今から音を鳴らします。イルカかタコ、どっちの音かな?」と音当てクイズのようにします。最初に【曲2(速い)】を聴かせます。先程のイメージから「イルカ!」と反応があるはずです。
2回目にもう一度【曲2】を聴かせます。ここでは「イルカだと思う子!?」「じゃあ、タコだと思う子!?」とあえて問いかけてみます。「前はイルカだったから今度はタコ」と反射的に考えてしまう子がいるはずです。裏をかくことで「じゃあ次は何なんだろう?」と聴く事を促すようにします。
3回目で【曲3(ゆっくり)】を聴かせます。 ここまでが導入です。いよいよ活動に入っていきます。「みんなもこの子(【絵1「歩いてる子」】を見せながら)と一緒に水族館にいってみましょう」「もし、途中でイルカやタコがいたらまねっこしてみて下さい。」と伝えます。
いよいよ身体を動かす時間、子ども達はウズウズしているはずなので、いざ始めるといきなり走り回ってしまう場合があります。それなので「歩いて探そうね」と最後に確認しておくようにします。 全員を立たせた後、「さあ、水族館の中を探してみよう!」と全体に声を掛けて【曲1(歩く)】を鳴らしましょう。全体が流れに乗って歩いているかに注意しながら鳴らし続けます。
3.曲の展開のさせ方
【曲1(歩く)】を例にします(譜面は上の方に【絵】と同様ダウンロードできるよう置いてあります)。曲は全て4小節のパターンからなっています。この4小節はずっと繰り返して鳴らし続けられます。とはいえ、単純な同じメロディの繰り返しはすぐに飽きてしまうので、3.4小節目をパターン1か2に変えて変化を入れていきます。パターン1を2回やったら次はパターン2に行く、といった流れです。
もっと変えていくことも出来ます。例えば、3小節目はパターン1(または2)、4小節目はパターン2(または1)、とすれば譜面上にないパターンが出来上がります。つまり、3小節目と4小節目をパターン1か2のどちらかを選ぶことで4パターン出来ることになります。少ない小節数のメロディですが、パターンの入れ替えしていくだけでも曲を展開させることが出来るのです。
ところで、この曲は鍵盤ハーモニカを使うことが想定されています。休符が無いのでずーっと吹き続けることは不可能です。そこで、休符、というより「音を止める」部分を入れていきます。
譜面の音符が赤い部分があります(正確に言うと4小節目の3拍目)。この部分の音を鳴らしたら止めるようにします。そして、「音が止まったら、動きません」とルールをつけるようにします。
音が止まったら、動きも止まる。これは、音を聴きながら即時に反応していかなければできないものです。リトミックでいう「即時反応」なのですが、小難しいことは抜きにしても、単純に「止まる」ということが遊びのルールとして機能していくはずです。
赤色の音符で音を止めたら、子ども達の様子を見ます。気づいて止まる子、気付かず動いてる子、あわてて止まる子、様々な姿が見られるはずです。こちら側の姿勢としてここでは、止まる事を要求するのではなく、上手に止まれた子、上手に反応しようと気づいた子、などをその場で褒めていき、全体に「やる気」を影響させていくようにします。
再度、1小節目から鳴らし始めて再開、となります。この音を止めるタイミングは他の音符の場所でも可能です。「1か3拍目」で止めることが、音楽が不自然なことなく聴こえるはずです。色々お試しください。
4.活動の展開
歩く、止まるを何回か行ったら【走る】や【ゆっくり】を混ぜていきます。音を止めて「止まる」の状態の後に【曲2(走る)】を鳴らしてみます。その時子ども達全体の様子を見てみましょう。走り出す子どもが殆どだとは思いますが、状況によってフォローを入れる必要があります。
もし、走り出す子が少ない場合は、「今、何が出てきたかな?」と声をかけてみます。気付いていた子が「イルカ!」と答えたら、「そうだね、泳ぐのがとっても速いイルカだね」とイメージを広げます。
もし、興奮状態になって流れと逆走する子がいたら一度止めて、その子に「進むのはこっち(方向を指差し見せて確認)だよ」と個別に声をかけて促すようにします。
あまり長く走らせると、疲れさせて集中がなくなってしまいます。4小節分で止める、を繰り返す流れがちょうど良いと思います。2~3回走ったら、【曲1(歩く)】や【曲3(ゆっくり)】に変えていきます。
初回は「歩く」「止まる」を中心に行えば良いでしょう。
4.活動の発展
今回の活動は、「動く」「止まる」「音の変化に合わせる」といった今までと同様の内容なので、子どもからすると新しいことにチャレンジしているとはいえません。しかし今回の新しい要素として、「メロディを鳴らす」「即興的に変えていく」という新しい演奏面があるので、むしろチャレンジしているのは指導者側と言えます。
それなので、活動を発展させていくことは、演奏面で慣れていき次第変えていけることになります。
発展例
・「止まる」のタイミングを色々な場所で入れられるようにして、子ども達の反応を促していく。
・「動き」→「止まる」→「別の動き」といった「止まる」をクッションとして入れていたのを少なくして、音楽の変化をスムーズにする’
※例→【曲1(歩く)】を4小節~【曲2(走る)】を2小節(3小節目で「止まる」)
最初のうちは、無意識に行うことは難しいので、「歩く」「走る」「ゆっくり」「止まる」を小節単位でパズルのように入れ替えて、一回分の譜面を台本のように用意しておくことから始めるとよいでしょう。
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