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子ども

【リトミックの指導方法】その他のテクニック

2017年10月30日 by 藤原 大輔

「叱る」ときは、その子どもの行動を見極めてから!

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活動において、よりスムーズに進めるためのテクニックをご紹介します。

 

子どもへこちらが「質問」する際の方法

以前の記事にある「じらし」と近いことなのですが、活動で子どもにイメージを持たせる際にクイズ形式で行ったりします。

こうすることによって、子どもは頭で考えることを繰り返すのでイメージを膨らませることに繋がります。

クイズ形式といっても複雑なことではなく、正解に向けて連想していけるようヒントを細かく出していくだけです。

「今日はみんなでこんなところに行ってみたいと思います。」

「乗り物があります」

「レストランもあります」

「観覧車があります」

「ゆ、がつくところです」→正解は「遊園地」

 

ヒントを少しずつ出していくことで、ああでもないこうでもないと子ども達が考え始めるので、イメージを膨らませることになり、結果その後の活動が豊かなものになります。

そして何より「集中」が生まれます。

 

注意引きの行動や言動について

注意引きの行動、言動とは言ってしまえば「ふざける」ようなことを言います。

こうした行動にでる子は、こちらを試しているかもしれないし、緊張の裏返しかもしれないし、単に状況をわかっていないだけなのかもしれません。

なんにせよ、こうした行動や言動は活動を進める上で全体へよくない影響を広げかねないので、様子によっては対処する必要があります。

「そういうことは楽しくないよ」という態度を示すために「無視」をして乗らないのが一つの手です。

こちらの反応を楽しんでいるだけの子に有効です。

ただし、何でも無視するのではなく、その子の別の場面では褒めたり関わってみたりします。

特定の行動には「乗らないよ」と態度で示すのです。

時には「叱る」ことも必要です。線引として「迷惑をかける行為に対して」とするのがよいでしょう。

例えば、活動中にピアノに触れにくる子がいたとします。

大抵の子は、そういった行為に対し(きつい言い方ですが)睨みを利かせると「あっ、まずかったかな…」と繰り返しはしません。

しかし、そうした大人(相手)の様子に気づきにくい子はそれを楽しい遊びの関わりと勘違いをして2度3度と繰り返します。

いざ「叱る」際は途中で演奏を中断して、その子の目の前まで行き、しゃがんで目線を合わせます。

そして、こちらとしては十分迷惑なこと、みんなにも迷惑なことを「気持ち」として「そういうの、嬉しくありません。

先生は嫌です。やめてください」としっかり伝えます。

叱る、からといって大声をだすような「怒鳴る」わけではありません。

あとは、注意引きの言動として「チンチン」「うんち」「おしっこ」といったことを発する子がいます。もう、子ども達の大好きな言葉です。

そうした言動については、わざと大きな声で「えっ!チンチン(うんち)!?なに、トイレに行きたいの!?早く行っておいで!!」と言えば「イヤ、そういうつもりじゃ…」と言わなくなります。

「なーんだ、◯◯くん(ちゃん)赤ちゃんみたいになっちゃたのかと思ったヨ!」と雰囲気を険悪にしないようおどけてみせつつ、暗に「もう言うなよ」という意味で念押しすれば十分です。

グループの分け方

活動によってはグループなどの小集団にわけることもあります。そうした時の分け方についてです。

4歳児以上であれば、どんな方法でもある程度問題なく行えると思います。

しかし、3歳児では難しい場合もあるかもしれません。

「絶対に○○と一緒じゃないとやだ!」と相手にこだわったり、グループという概念自体を理解することが難しい子がいたりします(この様子は4歳児以上でも見られたりはします)。

とはいえ、3歳児は「特定の友達と一緒に」ということを意識し始めるころなので、まだ小集団ではなく全員で活動していく方がよかったりもします。

最も簡単な2グループの作り方

全員で行うには人数が多すぎる、かといってしっかりグループに分けるにはタイミングではない、という時に便利な方法です。

「男の子はこっち(場所を示して)、女の子はこっちに行って座ってください」というように男女で分かれるのが最も簡単で確実な方法です。

欠点は、その集団の男女比によって均等ではない2グループになる、ということです。

頭を触られたら…

3グループ以上に分ける際に有効な方法です。

「目をつぶってください。今から先生が頭をポンと触ります。」といい最初のグループの子を選んでいきます。

目をつぶらせることで子どもは集中し、落ち着いてグループ分けをすることが出来ます。

予め全員の人数からグループ数で割った数を認識しておく必要があります。

また、この分け方の利点として、グループのメンバーをこちらがコントロールできるところにあります。

クラスには、いい意味でも悪い意味でも「ムードメーカー」となる子が数人はいます。

そして、そうした子達はいつも固まっている傾向があるので見分けやすいです。

それなので、その子達を一緒にせずバランスのよいグループに振り分けることがやりやすくなります。

クラスのグループで分ける

園では、そのクラス内でグループが決められていたりします。

そうしたグループをそのままリトミック内でも適用させる方法もあります。

そうしたグループは大抵、担任の先生が熟考した結果のメンバーの配置となっているので、そのまま活動へも活かせます。

欠点として、そのグループ数がこちらの希望する数と一致しない場合があることがあります。

また、欠席している子が特定のグループに集中していると、グループ人数に偏りがでることがあります。

環境を利用する

例えば、クラスにある「イス」ですが、落ち着きの少ないクラスの子ども達を集める際に有効だったりします。

予め壁際にイスを並べておけば「座って先生の話を聞く番」という流れが「じゃあ、座ってください」の一言で乗せやすくなります。

机は基本的に「潜らないように」しておくことが大切ですが(過去記事参照)、使いようによっては「トンネル」として使用できます。例えば、「この音楽の時はトンネルを通ってね」とか…。

柱や壁、棚などにある「色」が活動に活かせたりします。

グループを分けた際に、グループ名を「赤グループ」として赤色がある壁のしたに場所を示したりできます。

園帽子は、特定の役割を持たせる場合に使えます。

帽子をかぶっている人は◯◯の役、というようにすれば視覚的にもわかりやすくなります。

全ての技術は対象を見極めて使う

これまで【指導方法】としてさまざまな技術を紹介してきましたが、これらは私自身が経験で得たものや本で学んだものを総合したものです。

そして、全ての現場で活用している原則的なものです。

しかし、全ての現場で活用出来ているのは、全ての現場で活用してきた経験のある私だから出来るのであって、誰もがマニュアル通りに進められるものではないと思っています。

それなので、もしこれらを参考にされる場合は、ご自身の現場では有効なのか?と試すつもりで行って頂きたく思います。

人間を相手にする以上、完璧な正解はありません。正解は、現場を受け持つご自身が見つけ出すものです。

とはいえ、これらを知っていれば活動を進めることがいくらか楽になることは間違いないと思います。

なぜなら、私が苦労して導き出した方法でもあるので、実践済みという裏付けが’あるからです(1年目で四苦八苦していた自分に教えてやりたいです)。

ブログを御覧になられている皆様のお役に立てれば幸いです。

 

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Filed Under: リトミックの指導案 関連タグ:リトミック, 即興, 子ども, 指導法

【リトミックの指導方法】活動の組み立て方はスモールステップで行う

2017年10月30日 by 藤原 大輔

一つずつ、確実な設定が最高の活動になっていく!

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小さい目標が重なって一つの活動としていきます。

 

リトミックの目標を立てる

指導案を立てる際に気をつけなければならないのが「リトミックの目標を決める」ことです。

これをしないとどうなるのか?

例えば「ボールを使う」といった活動を考えたとします。

ボールを使うには、どんな活動にしていくべきか…あれができる、これもできる…。

これがダメなわけではありませんが、これでは「ボールを使う」ことに固執してしまいリトミックの目的が薄くなってしまいます。

そんなにボールを使いたければ、リトミックである必要もなくなります。

もちろん、「ボール」から出発してリトミックの目標と辻褄を合わせていくことも可能ですが、よっぽど経験を積まない限り中身のある活動にしていくのは難しいでしょう。

あくまでも「リトミック」として活動を行うのであれば「リトミックの目標」から中身を考えていくべきです。

一つの目標が分かれて一つ一つの活動になる

一つの目標を、どうやって限られた時間で達成していくか?

同じことを30分間行うことは難しいです(子どもが飽きてしまいます)。

そこで、一つの目標を細かく分割、そして「逆算」して考えます。

例えば、「3種類の音楽を聴き分けて動ける」という目標とします。

最終段階で「3種類」が聴き分けられるとするなら、それより前の活動は簡単なものでなければいけません。

2種類の音楽が聴き分けられれば3種類にいけるか?
じゃあその前に1つずつ経験した方が確実か?
そもそも音楽に合わせて動けるか?

これを整えると例えばですが、

  1. Aの音楽に合わせて動く
  2. Bの音楽でも行う
  3. AかBのどちらかが演奏されるのでそれぞれに反応して動いてみる
  4. Cでも動いてみる
  5. 3種類を聴き分けて動いてみる

というように細分化したことになります。

いきなり「3種類を聴き分ける」に挑戦するよりも、順を追った方が目標は達成しやすいです。

このように、活動は一つの目標を細かくしていく、スモールステップで組んだ方が進めやすいです。

活動を発展させるタイミングは8割が出来ていたら

スモールステップで組んだ活動は、進むごとに難易度が上がる、つまり発展させていくことになります。

この発展のタイミングは早くても遅くてもいけません。

早ければ、理解が出来ていない子が取り残されてその子は活動に興味を示さなくなります。

遅ければ、理解の早い子が飽き始めてしまいます。

適切な発展のタイミングは「全体の8割が出来ている」と思われた時です。

集団で行っている場合は、全員が出来るようになるのを待っていることは難しいです。

しかし、8割の子が出来ていればその子達がモデルとなり「集団」の力が作用します。

そうすると、2割の子はモデルを頼りに流れに追いついていくことが出来ます。

反対に8割の子どもが出来ない場合は、その活動は無理があるとして止めることも必要です。

完璧を目指さない

ちょっと矛盾しますが、8割の子が出来るまで!と躍起になる必要はありません。

完璧を目指さず「まあ、半分くらいの子が出来ればオッケー」と望む場合の方が良かったりもします。

活動を進める上で一番大切なのは「子ども達が楽しめること」です。

いくらこちらが立てた目標が崇高なもので、大人の事情で絶対にその日にクリアしなければいけないとしても、そんなものは子どもにとっては知ったこっちゃありません。

何より「つまらない」と感じたら、子どもは乗ってくれません。

目標か子どもか、どちらを優先するかはその時の状況で判断していけばよいです。

視線を変えていくことで「飽き」を回避する

いくら活動をスモールステップで組んだからといって、子どもが飽きることなく活動を進められるかといえば、そんなことはありません。

5つに分けた活動が全て同じようなものでは、結局一つの活動を続けているようなものです。

そこで、子どもの「視線」を変えていくことを意識して活動を組みます。

例えば、

 

  • 1番目の活動はフロアの真ん中で動いた。
  • 2つ目は反対方向に動いた。
  • 3つ目は活動の説明を聞く際に壁際に並んだ。

 

 

というように、やっていることは同じでも、その時の子どもの場所や空間、方向を変えていくのです。

それだけで、活動の新鮮さが感じられ「飽き」を感じさせないようにしていけます。

活動に入らない子どもへの目標の立て方

子どもによっては活動に入りたがらない子がいます。特にリトミックを始めた最初の頃、3歳児のクラスでいます。

そういった子には、リトミックで行う活動目標より以前に「集団での活動に参加する」という目標を立てることが必要です。

とはいえ、集団を動かしながら、その子一人にも関わっていく必要はありません。

むしろ無理に参加を促すことは逆効果です。

そもそも参加する、ということは「一緒に動く」だけではありません。

「一緒の場にいる」だけで十分参加しているといえます。

それなので、その子の最初のステップとして、同じ部屋で「見ている」ことから始めるとよいでしょう。

「見ている」ことで、どんなことをやっているのか見通しが持てて、それが次第に参加への動機に繋がってきます。

もし、可能なら担任だったり親だったりが側で「見てるだけでもいいよ」と一緒にいられると、子どもも安心するはずです。

誘うタイミングは「笑顔」が見られたら

「見ている」だけの子どもも、そうした参加回数を重ねると場に慣れてきます。

そして、行っていることや、子ども同士の出来事を見て緊張した顔ではない「笑っている」様子になる場合があります。

そうした姿が見られたら初めて「◯◯くん(ちゃん)もやってみる?」と誘ってみるとよいでしょう。

または、側についている大人と事前に打ち合わせしておいて「後押し」してもらうのも手です。

1回目の誘いで入れる子もいれば、やっぱり入れない子もいます(無理しなくていいからね、とフォロー)。

しかし、こうした「誘われる」という経験を重ねていくことで「やってみようかな」という気持ちになっていくものです。

全体での活動に巻き込んでいく

集団の力はすごいもので、全体がわーっとやる気に満ちた時は、泣いていた子もケンカしていた子も活動が始まると一気に活動へ巻き込まれて気持ちを切り替えていきます。

「見ている」だけの子も同様です。

例えば、スカーフを使う活動。

一人ひとりに手渡したり、「箱から取っていって下さい」とする場面で気がつけば「見ている」だけだった子がいつの間にか一緒になってやっていたりします。

こうした全体での勢いに巻き込んでいくのも一つの方法です(もちろん無理強いはせず)。

私の経験上、「見ている」だけだった子はみんな、こういった様子で「いつの間にか一緒になって楽しんでいた」という参加でした。

「見ている」だけの子は、じつは「見ている」ことで経験を内的に積んでいて、あとはエイっと飛び込んでいく機会を待っているだけだったりします。

 

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【リトミックの指導方法】いかにして伝わりやすい声掛けになるか?

2017年10月30日 by 藤原 大輔

「話術!?」で子ども達は話に惹きつけられる!

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子どもに「伝える」ためには、ただ話をするだけでは十分ではありません。

 

伝えるためには、子ども達の耳を開かせる必要がある

このシリーズの記事で「話は端的に」「10秒以内で」と提示の仕方について触れました。

しかし、短いからといってその10秒間を目一杯しゃべり続けては混乱させるだけです。

また、注目させるためには大きい声で話せばよい、ということでもありません。

「うるさい」と感じれば誰だって耳を塞いでしまいます。

「何を言っているのかわからない」「聞きたくない」と子どもが思えば、話は聞いてくれません。

そうなっては、そもそも活動の提示なんて出来ません。

それなので、いかにして「伝えるか?」ということをこちらは意識していく必要があります。

「間」があることで話は引きつけられる

もし、ずっとしゃべっていた人が急に黙ったら「?」と感じるはずです。

その状態は、意識を対象に向けている状態でもあります。

この、黙っている瞬間を話の流れに入れていくことが「間」を作る、ということです。

では、どんなタイミングで入れればよいのか。

「これから、◯◯をします。◯◯っていうのは……(0.5秒くらいの間)……◯◯をすることです。」というように、結論や答えなど「みんなが知りたいであろう事柄」の直前に一瞬入れていくようにします。

ただ、毎回こんな調子で喋っていくのは不自然なので、「ここぞ!」という所で間を開けるようにしていきます。

話の組み立て方、大事なことは先に言う

短い時間での指示を出すためには、周りくどい言い方ではいけません。

そのためには、まず「一番大切なこと」を先に言うようにします。

例えば、「音楽に合わせてスキップする、音楽が止まったら止まる」といった活動を始めるとします。

この中で一番大切な部分はどこでしょう?

ルールとしては「スキップ」と「音楽に合わせる」、「止まる」がありますが、この中だと何より「スキップしている」ことが活動の大前提になります。

その他は、活動中に説明でも間に合います。

もし、10秒でルール全てを伝えるなら、「今からスキップをします」と内容をまず伝え、「音楽に合わせて下さい、もし止まったらみんなも止まります」と補足する形でよいでしょう。

ゆっくり言っても10秒かかりません。

「やってみる?」と提案の形で出して自発を促す

活動内容を提示、または活動中に指示を出したとします。

この時、「…をしなさい」というような命令の形だと、子ども達は「やらされている」という気持ちを抱きます。

大人でもそうですが、「やらされる」ことは楽しい事には繋がりにくいものです。

子どもが何故リトミックに興味をもって参加できるか?といったら「楽しいから」または「楽しそうだから」ということに尽きます。

私は、そうした子どもの心持ちは、遊びの一環なのだと思います。

「…しなさい」ではなく、「…してみます。みんなもやってみる?」と提案の切り出し方に変えるだけで、子どもからすれば選択の余地がある分「やらされている」感はぐっと少なくなります。

結果、「やるやる!」といった自発的な行動に移りやすいのです。

ただ、大抵の子は優しいので「やる」と言ってくれますが、もし子どもとの信頼関係がまだ薄い状況で、かつ子どもにとってつまらない提示だったとしたら正直に「やりたくない」と言われるかもしれません。

身振り手振りを加えることで話が具体的になる

そもそも、子どもは大人ほど言葉を理解できるわけではありません。

そして、大人は意外と子どもに指示を出す時に(子どもにとって)難しい言葉を使っていたりします。

指示提示では、いかに子どもがわかりそうな言葉、表現で話していくか?ということが大前提になります。

そもそも伝わらなければ何も起こりません。

それに加えて身振り手振りを加えるとより効果的です。

人間は外界に対して、自分が使っている感覚は「視覚が8割、聴覚が2割」だそうです(あるリトミックの師匠より)。

となると、身振り手振りで示した方がより伝わりやすいはずです。

動きを示す、空間を示すための指示

動きなどは、こちらが動けばそれがそのまま身振り手振りで視覚に訴えることになります。

集まる場所、進む方向といった空間に関しては、人差し指で大きくグルっと「ここ」と示します。

進む方向などは、「こっちに進みましょう」と方向を指さします。

もし、演奏中などでリアルタイムに指示を出す場合は、楽器にもよりますが手は離せません(ピアノであれば左手でベースを弾きながら右手で示す、ということが出来ますが)。

そうした場合は言葉のみの指示になるのですが、「ピアノの前に集まって」「もっと壁の方まで歩いて」「◯◯は触らないで」と、なるべくイメージしやすい具体的な指示にしていきます。

次回は、活動の組み立て方についてお伝えします。

 

【リトミックの指導方法】活動の組み立て方はスモールステップで行う

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【リトミックの指導方法】物を使った活動での提示の仕方

2017年10月30日 by 藤原 大輔

「何だろう!?」と思わせることが子どもを惹きつけます

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スカーフや楽器といった物を使った活動での、より子どもの興味や集中を引き出す方法です。

 

「じらし」が子どもの興味をひきつける

物を使った活動は、子どもにとって非常に楽しみな活動になります。

しかし、ここで淡々と物を渡して活動を進めても子どもは好き勝手に遊ぶだけで、そこから活動に持っていくことは難しくなります。

「物を出す」という場面が子どもの興味や集中がこちらに向くピークといえます。

この瞬間を上手に活用することで、その後の活動が大きく変わってきます。

では、どのように「出す」のか?それは「じらすこと」がポイントになります。

子どもを集めて、次の活動に移る場面。

「さあ、先生はこんなものを持ってきました。」

例えば、このように物は隠したまま伝えるだけで「なになに!?」と子どもの注目が集まります。

その際、そのまま出して見せるのではなく、背中の後ろに隠して一瞬だけチラッと見せることを繰り返すと、「◯◯かな??」「わかった◯◯だ!」と、それだけで子どもの興味は最高潮を迎えます。

例えば音の鳴る楽器だったら、見せずに音だけを聴かせたりすることも「じらし」になります。

このように「興味」が高まっているということは、活動に対して集中していることになります。

それなので、「何をやるか?」といった活動の提示がしやすくなります。

いかに、こういった状態に持っていくか?「じらし」がそれを可能にします。

一回だけ使用できる、注目を集める裏ワザ

「じらし」が子どもの興味や集中を集める、ということを利用した裏ワザです。

子ども達が騒ぎすぎて収集がつかない!

そんな場面に有効な一回限りの技です。

騒いでいる子ども達の前で、ズボンのポケットに手を入れましょう。

その時「あれ?おかしいな?」という仕草を大げさにすることがポイントです。

しばらくすると、何人かの子ども達がこちらの様子に気が付きます。

半分くらいの子が「なになに?」と興味を向け始めたら、「あれ!?アレ!?」と大げさに声をあげます。

だんだん小声にしていき「…あった!」と言います。ここで子どもの興味は最高潮です。

「見たい?…じゃあ座って…」と伝え、全員が座った所で…。

「何もありませんが」と伝え、そのまま次の活動へ切り込んで行きます。

言ってみれば騙しているようなものなのですが、騒ぎがどうにもならない場合に有効です。

物の配布方法は活動内容によって変えていく

以前、物の準備は「使う順番で並べておくとよい」といった記事を公開したこともありましたが、活動内容によってはその限りではありません。

例えば、子どもを輪の状態でフロア真ん中に集める→子どもの輪の中で活動の提示、とします。

その場合、活動の提示してから、物を配布するのにわざわざピアノまで戻るのは時間のロスだったりするかもしれません。

最初からフロアの真ん中へ行くことが分かっているのなら、予めその近くに置いておく、または最初から手にしている方が効率的な場合があります。

配布方法のあれこれ

人数が少ない場合は、こちらが一人ひとりに物を手渡していってもよいのですが、大人数の場合は時間がかかります。

既に手渡されている子と、これから手渡される子のどちらも「次の活動」まで空白の時間ができることになります。

この空白の時間は、子どもの集中を恐ろしく無くしてしまい最悪の場合、収集がつかない騒ぎになります。

なるべく、こうした空白の時間を作らないためにも配布方法を考慮していく必要があります。

人数が多い場合、箱(カゴなどでも可)に入れて「取りに来てください」とした方が配布は早く完了します。

その場合、注意すべき点は、箱が一つだと一気に人数が集中するためトラブルの元になることです。

人数が多いときは箱を複数用意して、それぞれを離して設置するとスムーズにいき安いです。

物を持った状態の子どもは「聞けない」

物を持った状態にある子どもは、興味集中が全て物に行っているのでその後の指示が入りにくくなっています。

活動中に指示を加える場面がある場合は、一度回収して子ども達を手ぶらの状態にしなければなりません。

上記のように箱で「取りに来てください」と活動を始めていたら、「一度戻しましょう」と声をかければ良いです。

年齢が低いほど、物を手に持っていると話は入りにくくなります。

5歳児くらいであれば、「下に(床に)置いて下さい。」という指示を理解してもらえるので、短時間の活動提示であれば話を済ますこともできます。

注意事項の説明

物を持った状態の子どもは、時には活動を忘れて自分の遊び(物に没頭する)に熱中してしまいます。

それ自体が悪いことではないのですが、全体の活動が破綻してしまうなど結果的に望ましくないことにもなりかねません。

それなので、予め子どもの行動を想定して物を渡す前に「注意事項」の確認をしておく必要があります。

かといって長々と話していては活動のテンポを崩す上に子どもの集中が無くなっていくので、端的に短く伝えるようにします。

棒状のものは「たたかない」

楽器にしろ物にしろ棒状のものはチャンバラ的な行動を誘発します。

この行動で起こりうる事は「たたく」「たたかれて痛い」といったトラブルです。

それなので、渡す前に「お友達を叩かないでください」と確認するようにします。

布状のものは「ひっぱらない」

リトミックでは「スカーフ」を使うことがありますが、このスカーフは丈夫なものではありません。

使い方によっては過剰に引っ張りすぎて破れる、なんてこともありますので「破れやすいです。」「強く引っ張らないでください」と伝えます。

また、相手に巻きつけたりする行動も想定されるので、危険がないよう活動中は子ども達全体の動きをよく見ておきましょう。

楽器は「こうやって使います」

子どもは楽器を想定外の使い方で扱うことがあります。

提示の際に「こうやって鳴らします」と実際に見せて使い方を知らせていきます。

ただ、想定外の使い方をするからこそ活動が面白くなる、とも言えます。

もし、使用する楽器が高価なもので、どうしてもそれを使わなければ活動が成り立たない、という場合は正しい
使い方を知らせておく必要があります。

そうでない場合は、思い切って自由に使わせることもアリかと思います。

次回は声かけをする際のテクニックについてお伝えします。

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【リトミックの指導方法】分かりやすい提示は「モデルを示す」

2017年10月30日 by 藤原 大輔

模倣させることで「最初の一歩」を示していく!

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子どもは言葉よりも「見る」方が理解しやすいです。

 

模倣することが、自発性の「キッカケ」になる

リトミック活動では、色々な動きをします。

そしてその中では自由に表現してみる場面や、一定の動きに挑戦してみたりする場面があります。

しかしどちらにせよ、「こういう風にしてみると、もっと良い!」ということを子ども達に伝える必要が出てきたりします。

説明をするというのはなかなか難しいことです。

そういった時は、言葉ではなく具体的な何かを「見せる」方が一発で伝わったりします。

つまり、見せたものを子ども達は「模倣」することになります。

この「模倣」は活動自体をし始めた最初期や、慣れた状態でも「初めて行う活動」の際に必要になります。

何かを始める際は最初が肝心です。

「模倣」してみて、だんだん自分のものにしていき「もっとこうやってみよう!」といった自発性にも繋がってきます。

つまり、「模倣」は活動を発展させていくためのキッカケでもあります。

模倣は真似をさせることではない

動きの模倣をさせるということは、一挙手一投足同じことをやらせる、つまり真似をさせることではありません。

全員が同じ動きを目指す(例えばダンスの振り付けとか)のであれば話は別ですが、リトミックでは「やろうとしている姿」を評価していった方が子ども達の意欲が良い方向に変わっていきます。

第一歩を示すことがキッカケ作りになる

とはいえ、「やろうとしている姿」とは、どこまで模倣させていくことなのか?といった判断が必要になります。

リトミックにおいては、音楽に動きを合わせていこうとする過程が大切です。

そこに向かう第一歩として、「最初の動き」だけ真似をさせてみましょう。

例えば特定の動きを音楽に合わせる活動だとします。

最初は音楽無しで、こちらが動いて見せます。「みんなもやってみましょう」と誘い、全員でやってみます。この段階は「真似をさせている」ことになります。

その後、「音楽と一緒にやってみましょう」とこちらは演奏側にまわります。

そうすると、子どもからすると真似をする対象がなくなります。

そうすると、子ども自身が思ったことを動いてみる段階になります。音楽が始まれば、後は動いていくしかありません。

このように、最初だけきっちり模倣させることでキッカケとなり、その後の活動に弾みをつけていくことができます。

大げさに示す

こちらが動きを示す場合、思っている以上に大げさに動いてみて丁度よいです。

とはいえ、大げさ過ぎるとコミカルなものと捉えられてしまい提示にはなりません。

大人がやってみせる、ということは慣れていないとどうしても羞恥心を感じてしまい、動作がコンパクトになってしまいがちです。

それなので、自分が思っているよりも3割ほど大きい動きをして示しましょう。

腕を振るのであれば3割大ぶりに、動きを止めるのであれば止める直前に3割大げさに止めてみせたりします。

加減は難しいですが、恥ずかしがってやるより確実に伝わります。

端的に示す

こちらが示す場合、端的に示すことが大切です。

見せすぎたり、説明が長すぎたりすればするほど、子ども達は混乱していき飽きてしまいます。

提示は長くても10秒以内に、と意識しておくとテンポよく進められ、かつ子どもの集中も下がりにくいです。

そのために、あらかじめ伝えたいことを2〜3点にまとめておくとよいです。

言って聞かせて、やってみせて、やらせてみせて、褒める

ただ模倣させればよいわけではありません。

子ども達が自発的に「やってみよう!」となるには段階を踏まなければなりません。

まず最初に「こういうことをします」と口頭で伝えます。

この段階で子ども達は理解することは難しいです。しかし、興味や集中をひくという導入になります。

次に、実際にこちらが動いて見せます。

見ることで、「さっき言っていたことはこれか」と理解が進みます。

もちろん、こちらの動き方は上記のように大げさに見せます。

頭でわかっているだけでは理解できた事になりません。

実際にやってみる必要があります。こちら側は完璧を求めず、とりあえずやってみましょう。

そして大切なのは、やってみた事に対して「褒める」ことです。

この段階を経て、子どもは「こうすればいいんだ!」「もっとやってみたい!」と意欲的になってきます。

子どもを注目させてモデル示しとする方法

動きを示す、モデルの提示は何も大人だけではありません。子どもの姿も有効です。

前回「褒める」という部分がありましたが、この段階で子どもに注目させていくことが全体に良い影響を広げることができます。

例えば、上手だったり個性的な動きをしている子がいたら、一旦活動を止めて、「みんな◯◯くん(ちゃん)をみてごらん、すごい素敵な動き方をしているよ」と全体に声をかけてみましょう。

そうすると、「褒められた」と感じた子はより意識して動き、それが周りへのモデルとなって模倣の対象になります。

そこから、さらに別の子へ「褒める」ことを広げていければ活動は弾んでいきます。

また、興奮しすぎて「ふざけ」の状態にある子へも、こうした子どものモデルは有効です。

「◯◯くん(ちゃん)をみてごらん」と伝える事で自分の行っていることを振り返らせることになります。

「ふざけ」の子を名指しで「こうしなさい」と伝えて雰囲気を緊迫させるよりも、この方が穏やかな場が保たれます。

何より、言われた子からしても嫌な気分にはなりにくいはずです。

 

モデル示しは、どんな子も輝かせられる

リトミックでは、「こうしなければいけない」といった要素が少なく、それぞれの表現を認めていける機会でもあります。

例えば、普段控えめな子でも、こちらがその子のいい部分を拾って「モデル」として注目させることで、自信を持てるように繋げていくことができます。

褒められていい気分になるのは誰だって同じです。「(ぼくも、わたしも)見て見て!」と活動が活発になっていくことでしょう。

そして「ふざけ」が多かったりする子は、実はアイデアの宝庫だったりします。

全体の動きが画一的になってきたら、こういった子の動きがとても斬新で面白かったりします。

そういった時に「モデル」になってもらうことで、全体がリフレッシュして活動が生き生きしてきたりします。

モデルを示す、ということは様々な可能性があります。

 

次回は、「見せるテクニック」についてお伝えします。

 

【リトミックの指導方法】物を使った活動での提示の仕方

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Filed Under: リトミックの指導案 関連タグ:リトミック, 即興, 子ども, 指導法

【リトミックの指導方法】子どもを「集める」技術

2017年10月30日 by 藤原 大輔

上手に子ども達を集めることができると、それだけ活動はスムーズになる!

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集める、とは活動内において重要な事柄です。

 

活動の流れの基本は「集まる」「動く」の繰り返し

リトミックの活動は、歩いたり走ったり、聴いたり歌ったりと様々なことをします。

しかし、活動中の子どもの動きを大きく分けると「集まる」と「動く」の二つのみ、と捉えられます。

もちろん活動内容にもよりますが、こちらが提示や説明する→子ども達が実践する、という流れが繰り返されることになります。

もし、子どもを上手に集められないと活動やこちらの意図を伝えられず子ども達は何をしていいのか分からない混乱状態になってしまいます。

それなので、「集める」という段階はとても重要です。

集まるから全体に伝えられる

もし、全体に散らばった状態で伝えても、それぞれの子ども達の興味集中がバラバラなため、こちらの指示提示が上手く伝わりません。

一見、子ども達が同じ場所に固まっていたとしても、「気持ち」の方がこちらに向いていないと同じく伝わりません。

「集まる」ということは、子ども達を実際にその場に集めること以外に、全員の興味や集中を「集める」ということにもなります。

気持ちをこちらに向けさせる、という意味でも「集まる」ことは大切です。

集まる「場所」を示す

例えば、活動中に子どもを集める際にどんな声かけをしますか?

「こっちにきてください」「集まってー」「先生の方にきてください」など色々な声かけをするかと思います。

しかし、「ここに集まってください」と言われて子どもが思う事は「ここってどこ?」ということです。

もちろん、子どもによっては大人側の意図を理解して動ける子もいるでしょうが、それが全員とはいきません。

それなので、子どもを集める際には具体的な場所を示さなければいけません。

それも、言葉よりも視覚に訴えたほうが伝わります。

指差しで「このへん」という場所を示すのも一つの方法です。

この方法だと、こちらはピアノなど楽器を演奏していた場所から指示を出すことができます。

ただ、それは活動に慣れた子ども達だからこそ出来ることなので具体的な指示ではありません。

一番、具体的な方法は、こちらが集まって欲しい場所に行き、「ここ」と身振り手振りで見せる事です。

活動に慣れないうちや、年齢の低い子ども達の場合は必ずこのように具体的に示していくようにします。

集めたら一歩下がる

こちらが集まってほしい場所に立ち「ここに集まってください」というと、子ども達は一斉に群がってきます。

すると、我先にと向かってくる子が必ずおり、必ずこちらの足元にくっつくようにして座ります。

それを見た子は「自分も」と同じようにして集まり始めます。

このように、指導者が場の中に入ると子ども達の遊びになりやすい傾向があります(少なくとも私の経験上)。

しかしその状態では、次の活動の提示など出来ません。

そこで、子どもが全員集まったところで大きく一歩(実際には2〜3歩)退くようにして距離を保つようにします。

それなので、こちらが集まって欲しい場所に立つ場合、あらかじめ最後に一歩退くことを想定した場所に立つようにします。

色々な集まり方

集まり方には「次の活動」のためでもあります。

いちいち子ども達を集め直していたり、場所を移動させていては時間がもったいない上に子ども達が飽き始めてしまう可能性があります。

そのようなリスクは避けるべきです。

そこで、次の活動がどのように動くか?で集まり方を変えていき、流れをスムーズにしていきます。

輪になって集まる

次の活動が「物を使う」場合に有効な集まり方です。

こちらが子ども達の輪の中に入ることで、物を見せたり説明したりといったことが全員にとって等しい距離で示すことができます。

円の中心にいるので、同じ方向だけ向いているわけにはいきませんので、こちらはクルクル回りながら全員に示す必要はあります。

物を配るにも順番に配っていけるので、渡しそびれで時間をロスする、といったことが少なくなります。

集まる方法として、全員で手を繋ぐ→輪になったら手を離す→座る、の順で出来ます。

ただ、この集まり方が出来るのは私の経験上、4歳児以上でないと難しいです。

また、3歳児では手を繋いだまま輪を維持することが難しいです(わざと引っ張ったり動くことをするのが楽しくなってしまう)。

様子を見て、こちらも一緒に入って手を繋ぐのも良いでしょう。

壁際に集まる

次の活動で、こちらが動いて見せる、などの例を見せる際に有効な集まり方です。

集まり方としては、壁際を指さし「ここに集まります」「壁ぺったんで集まります」と言えばよいでしょう。

この場合、子どもが密集して集まるので子ども同士のトラブルが出ることが多いです。

トラブルになりそうな様子を先取りして、「まあまあ、このくらい空けて座ってみよう」と介入していく必要があります。

列になって集まる

例えば、合奏のような定位置が必要な場合に使われる集まり方です。

こちらが列になる起点に立って、列の方向に腕を伸ばし「ここに並びます」と示します。

予想される子ども達のトラブルとしては、並び順をめぐってのケンカが始まることがあります。

人数が多い場合は一気に全員を集めようとせず、「ここからここまでの人は並んでください」というように、こちらが人数を区切って少しずつ並ばせていく方が良いです。

また、ある程度年齢が上であれば、複数の子を先頭に決めて複数列を示すことも可能です。

次回は子ども達に「いかにわかりやすい」伝え方をするか?という内容をお伝えします。

【リトミックの指導方法】分かりやすい提示は「モデルを示す」

おすすめ本 詳細
リトミック教育のための原理と指針 ダルクローズのリトミック
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