指導において必要なものは何だろうか?
ある物事を教えるのに必要なのは、言うまでもなくその「教える内容」について。例えば算数を教えるなら算数について理解していなければ教えられない、という事である。それなので、専門職・専門士、所謂「先生」になるには、その教える専門分野についてを身につけなければならない(そして時には資格も…)。
ところで、修行ともいえる期間を過ごし、晴れて「先生」となった人は間もなく現場に出て活躍出来るのだろうか?知識も技術も認められて世に出たのであれば当然だろう。
リトミック指導案の専門サイト
by 藤原 大輔
指導において必要なものは何だろうか?
ある物事を教えるのに必要なのは、言うまでもなくその「教える内容」について。例えば算数を教えるなら算数について理解していなければ教えられない、という事である。それなので、専門職・専門士、所謂「先生」になるには、その教える専門分野についてを身につけなければならない(そして時には資格も…)。
ところで、修行ともいえる期間を過ごし、晴れて「先生」となった人は間もなく現場に出て活躍出来るのだろうか?知識も技術も認められて世に出たのであれば当然だろう。
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誰でも手軽に活動できる!
【活動1.♪はじめよう、の歌に合わせて手を鳴らす】
【活動2.タンバリンに合わせてクラップする、合図に反応する】
【活動3.音楽に反応して動く】
【活動1】〜1分
【活動2】〜2分
【活動3 発展1.2.3】〜7分
【活動1. ♪はじまりのうた、をうたう】
【活動2.タンバリンに合わせてクラップ、合図に反応する】
前回同様のものです。活動2は、タンバリンの「音の強弱やテンポを変える」という変化を入れてもよいでしょう。
【活動3.音楽に反応して動く】
前回では鍵盤ハーモニカで「メロディ」を鳴らしていく活動を行いました。そして、そのメロディを組み替えていくことで「即興的に」音楽をコントロールしていけるものでもありました。
今回は「和音」での演奏で同様に「即興的」な演奏にしていく方法になります。同時に、和音進行の初歩的な事柄を含んでいますので、前回同様「即興演奏」の入り口になると思います。
活動内容自体は、これまでと大差ありません。しかし、「物」を使って行います。それなので、指導方法について多少の技術が求められます。また、絵など視覚教材が少ない分、指導の難易度がこれまでとは異なり上がっているかと思います。
1.絵を見せる
↓以下クリックでpdfファイルが開きます
1-1
【絵1 電車】を使います。提示方法は前回までを参考にして、「すぐに出さない」方法で提示していきましょう。導入部分となるこの場面では、いかに子どもの興味を引き出すか?がポイントになります。
1-2
【絵1 電車】を見せたら、今回の活動を説明していきます。内容としては、
・電車になって動く
・駅では止まる
・合図で掃除をする
というもので、「おそうじ電車」と言えば大雑把なイメージは伝わるでしょう。
2.動きの提示、活動
「おそうじ電車になります。」と用意しておいた布を出してみせましょう。
※ここでいう「布」とは、いわゆるスカーフなどを指します。スカーフがない場合は、50cm×50cm程度の布やハンカチなどで代用してください。
両手で布を持ち、前に出した状態で「電車はこうやって走ります。」と伝えます。表現遊び、とするならば布を使って色々な形をしてみるのも面白いです。とはいえ、今回は活動の最初ということもあるので「ルールを理解する」ことを目的にし、あえて形については全員同じにしています。
2-1
子ども達を部屋の端に座らせ、まずはこちらが動いて示します。「走る」というと子どもは全速力で走りたくなります。今回の活動では、「合図を聴く」というルールを入れるので、全速力で走られるとそれどころではなくなってしまいます。
「おそうじ電車はゆっくり走ります」と伝え、小走り程度の走りを見せましょう。
「電車はどこに止まる?」と走りながら質問してみます。「駅!」という答えが得られるはずです。「そうです、電車は駅に…止まります」と少しスピードを下げながら停止してみせます。
ここまでのルールは、
・布をもって「おそうじ電車」になる
・小走りで動く
・駅で止まる
です。
2-2
実際に、子ども達もやってみる番です。布の配布になるのですが、もし集団の人数が10人以下ぐらいであれば、こちらが直接手渡しをしても大丈夫です。
もし10人以上であれば、箱やカゴに入れて「取りに来て下さい」とする方がよいです。そうでないと、全員に行き渡るまでに時間がかかってしまうため、最初に布を受け取った子から集団が崩れてきてしまいます。布を受け取った子どもは、まず興奮して振ったりかぶったりと賑やかになるからです。
また、なるべく箱やカゴは2~3個用意して、それぞれ離して設置するようにします。一個だけだと、そこにわーっと集中するためトラブルが必ず起きてしまいます。
全員が布を持ったら、「じゃあ、電車になってみよう。出発します」と伝え、演奏を始めましょう。
初回は「走る」「駅で止まる」だけで十分です。余裕があれば【発展1】まで行います。
そして、活動の終わりは布を回収します。手渡しをしていたら直接受け取って、箱やカゴで渡していたら「布を戻します、…」と伝え「…布を返したら座りましょう」と行動の終わりまでを示します。そうすることで次の活動へ移りやすくなります。
3.演奏の仕方
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3-1
今回は複数の音を同時に鳴らす「和音」での演奏になります。青色の数字は指番号です。1は親指、2は人差し指、3は中指、4は薬指、5は小指です。まずは、この8小節を演奏できるようにします。
1小節目から2小節目に移る時、和音が変わっています。その際、鍵盤の押さえ方は変わっていますが共通している(つまり変わっていない音)音があります。これを意識しておくと、押さえ方が変わっても焦ることは少なくなるはずです。
演奏を始める際、いきなりのテンポで始めるよりも、1小節めをゆっくり始めて「だんだん早く」していき2小節目から通常のテンポになるようにすると電車の雰囲気がでます。
3-2
音を止める場所ですが、☆の部分で止めると音楽的にも「終わった!」と感じられるはずです。また、止めるにあたってぶつ切りで止めるよりも、前の小節からだんだん遅くしていって止める方が電車の雰囲気が出ます。慣れないうちは8小節目で止めることを目指して練習してみてください。だんだん遅くしていくコツが身についてきたら4小節目でも止めてみましょう。
ちなみに、なぜ☆の部分で止めると「終わった!」と感じられるのでしょうか?それは和音進行の力によるものです。☆の前の小節は必ず「シレソ」の和音になっています。この曲はハ長調なのですが、ハ長調においては「シレソ」の和音が「緊張」を感じさせる役割になるのです。
そして止まる☆部分は「ドミソ」の和音、これが「シレソ」の後にくることによって「弛緩」「帰ってきた」「落ち着いた」と感じられるようになっているのです。
つまり、「シレソ」のあとに「ドミソ」を入れれば曲をきれいに終わらせられるのです。
もし、慣れてきたら上記譜面にある3つの和音「ドミソ」「ドファラ」「シレソ」を自由に配置して演奏して遊んでみましょう。そうして、終わらせる時は「シレソ」→「ドミソ」とするのです。これが思い通りに出来るようになると、それはもう立派な即興演奏です。
4.発展
4-1
発展1と2を行う際は、2.動きの提示の時のようにこちらが動いて示す必要があります。その際、子どもは布を手にしていない状態にしておく必要があります。なぜなら、子どもは手に物を持っていると、集中が全て物にいってしまうからです。一度回収するなどしましょう。
【発展1】合図1で床を布で掃除する
→動きとしては、しゃがんで床に向けて布を振る動作が簡単です。
【発展2】合図2で上を掃除する(駅の屋根、といったイメージ)
→背伸びして天井に向かって布を振る動作。
【発展3】テンポの変化も入れる
演奏することに慣れてきたら、こういった事も可能になります。ゆっくりになったり、速めになったり。
ここまでで、音の高低の変化や速度に合わせていく、といったリトミック的な目標が含まれていることになります。
また、活動全体の発展例としては、
・「走る」「止まる」
・「走る」「止まる」「合図1」
・「走る」「止まる」「合図1」「合図2」
と複合させていくと、調度良い難易度の上がり方になります。
今回と前回で使用した曲ですが、鳴らし方が「メロディ」なのか「和音」なのか、という違いだけで実は同じような事をやっています。それなので、両方を組み合わせて曲にしていくことも可能です。
また、ハ長調だけでなくト長調やヘ長調でも弾けるようにすれば、音楽の雰囲気が拡がっていきます。
そして、活動内容も実は「イメージ」となるものが違うだけで毎回「動く」「止まる」と同じような事を行っています。
結局同じことなのですが、題材を変えたり、音楽のルールを組み替えたり、物を使ったりするだけで様々な活動にしていくことができます。
こうした「活動」は、いかに「引き出し」があるかでバリエーションのある活動にしていくことができます。ここまでで紹介したものを自由に組み替えて遊んでみて、ご自身のものにしていくと、子どもと活動で「遊んで」いくことがもっと楽しくなるはずです。
おすすめ楽器 | 商品名 |
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AlaMoana アラモアナ ウクレレ 教則DVD付き6点セット ギアペグ仕様 UK-100G/CS | |
SUZUKI スズキ 鍵盤ハーモニカ メロディオン アルト M-37C | |
キクタニ 皮付きタンブリン 21㎝ TMB-21 |
by 藤原 大輔
誰でも手軽に活動できる!
【活動1.♪はじめよう、の歌に合わせて手を鳴らす】
【活動2.タンバリンに合わせてクラップする、合図に反応する】
【活動3.音の高低に反応して動く】
【活動1】〜1分
【活動2】〜2分
【活動3 発展1.2.3】〜7分
【活動1. ♪はじまりのうた、をうたう】
【活動2.タンバリンに合わせてクラップ、合図に反応する】
前回同様のものです。活動2は、タンバリンの「音の強弱を変える」という変化を入れてもよいでしょう。
【活動3.音のテンポに反応して動く】
第1回と第2回ではタンバリンを使用し、前回は鍵盤ハーモニカを使用しました。これは、「音」をルールとして動いていくために「聴こうとする」ことを段階を踏んで体験させていくという目的がありました。 最初はタンバリンで単純に「テンポの違い」、次に「音の強弱」と「聴いてみてわかりやすい」ものでした。次にメロディ楽器での「音の高低」、これは自分から「聴く」ことをしないと判断が少し難しいものです。
そして「指導のための演奏」も僅かに、ですが難易度を段階的に上げていっています。これは、今後音楽的なルールを増やしていくためのもので、簡単な即興演奏にもつながります。 今回の活動では、鍵盤ハーモニカでのメロディパターンをもう少し増やし「その場で」展開を変えていけるといった「即興的」なものになっています。そうすることで必然的に子ども達の活動も「即時的に」反応していく難易度の少し上がった活動になってきます。
1.絵を見せる
※事前準備として【絵2「館内」】の後ろにポケットを作って【絵3「イルカ」】と【絵4「タコ」】を入れておくようにします。
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1-1
導入部分は子ども達が座った状態から始めます。今回のテーマは「水族館」なのですが、いきなり提示するのではなく、クイズのようにして遊びながら提示していきます。
「生き物がたくさんいます」「ライオンとかゾウとかはいません」「海の生き物がたくさんいます」と少しずつヒントを出していき「どこでしょう??」と聞いてみる流れにします。年中以降の子どもであれば、答えが出てくるとは思いますが年少の子では難しいかもしれません。「す、がつくところ」「す、い、ぞ、く、か、…?」とヒントを出し続けていくとよいでしょう。
とはいえ、答えに正解させることが目的ではなく、あくまでイメージを膨らませるだけの導入段階です。あまり長引かせる必要はありません。
「水族館」と答えが出た所で、「みんなは行った事はある?」「どんな生き物がいるか知ってる?」と問いかけ、イメージを全員で共有していきましょう。こうした何気ないやり取りが、子どもの興味を活動にひきつけることになります。
1-2
【絵1「歩いてる子」】を出します。「この子(特定の名前を付けてもよいです)は水族館に来ました。どんな生き物がいるのでしょうか…?」とお話を始めます。絵1を歩いているように動かします。「テクテク」と擬音をつけると効果的です。これは、「水族館内の生き物を歩いて探す」といった活動のルール提示になります。
しばらく「歩くいて探す」を行ったら【絵2「館内」】を出します。「ここには何がいるでしょう…?」と言い、後ろから【絵3「イルカ」】を少し出します。第一回の「動物」の時のようにじらしながら見せていくことで、子どもの注目を集めるようにします。
【絵3「イルカ」】を出したら左右に素早く動かし、「イルカは、泳ぐのがとっても速いです」と見せましょう。「イルカ=速い」のルール提示です。次に最初の状態に戻り、「次は何がいるかな?」と【絵1「歩いてる子】を再度テクテクと歩かせます。 今度は同様に【絵4「タコ」】を出します。じらして出して、全員に正解の姿を見せたら「ゆっくり、のっそり」動かします。「タコはゆっくり、動きます」と「タコ=ゆっくり」のルール提示をします。 ここで、ここまでのストーリーを追っていくようにまとめを行います。
【絵1「歩いてる子】を見せて「何かいるかな~?って歩いて探していたね」と「歩く」を提示。「最初に出てきたのは…そうです泳ぐのが速いイルカでした」と【絵3「イルカ」】を見せ「速い(走る)」を提示。同様にして【絵4「タコ」】を出し「ゆっくり(動く)」を提示します。 「歩く」「速い(走る)」「ゆっくり(動く)」の3つを確認したところで活動に入っていきます。
2.動きの提示、活動
「速い(走る)」場合と「ゆっくり(動く)」場合のルールを提示していきます。「今から音を鳴らします。イルカかタコ、どっちの音かな?」と音当てクイズのようにします。最初に【曲2(速い)】を聴かせます。先程のイメージから「イルカ!」と反応があるはずです。
2回目にもう一度【曲2】を聴かせます。ここでは「イルカだと思う子!?」「じゃあ、タコだと思う子!?」とあえて問いかけてみます。「前はイルカだったから今度はタコ」と反射的に考えてしまう子がいるはずです。裏をかくことで「じゃあ次は何なんだろう?」と聴く事を促すようにします。
3回目で【曲3(ゆっくり)】を聴かせます。 ここまでが導入です。いよいよ活動に入っていきます。「みんなもこの子(【絵1「歩いてる子」】を見せながら)と一緒に水族館にいってみましょう」「もし、途中でイルカやタコがいたらまねっこしてみて下さい。」と伝えます。
いよいよ身体を動かす時間、子ども達はウズウズしているはずなので、いざ始めるといきなり走り回ってしまう場合があります。それなので「歩いて探そうね」と最後に確認しておくようにします。 全員を立たせた後、「さあ、水族館の中を探してみよう!」と全体に声を掛けて【曲1(歩く)】を鳴らしましょう。全体が流れに乗って歩いているかに注意しながら鳴らし続けます。
3.曲の展開のさせ方
【曲1(歩く)】を例にします(譜面は上の方に【絵】と同様ダウンロードできるよう置いてあります)。曲は全て4小節のパターンからなっています。この4小節はずっと繰り返して鳴らし続けられます。とはいえ、単純な同じメロディの繰り返しはすぐに飽きてしまうので、3.4小節目をパターン1か2に変えて変化を入れていきます。パターン1を2回やったら次はパターン2に行く、といった流れです。
もっと変えていくことも出来ます。例えば、3小節目はパターン1(または2)、4小節目はパターン2(または1)、とすれば譜面上にないパターンが出来上がります。つまり、3小節目と4小節目をパターン1か2のどちらかを選ぶことで4パターン出来ることになります。少ない小節数のメロディですが、パターンの入れ替えしていくだけでも曲を展開させることが出来るのです。
ところで、この曲は鍵盤ハーモニカを使うことが想定されています。休符が無いのでずーっと吹き続けることは不可能です。そこで、休符、というより「音を止める」部分を入れていきます。
譜面の音符が赤い部分があります(正確に言うと4小節目の3拍目)。この部分の音を鳴らしたら止めるようにします。そして、「音が止まったら、動きません」とルールをつけるようにします。
音が止まったら、動きも止まる。これは、音を聴きながら即時に反応していかなければできないものです。リトミックでいう「即時反応」なのですが、小難しいことは抜きにしても、単純に「止まる」ということが遊びのルールとして機能していくはずです。
赤色の音符で音を止めたら、子ども達の様子を見ます。気づいて止まる子、気付かず動いてる子、あわてて止まる子、様々な姿が見られるはずです。こちら側の姿勢としてここでは、止まる事を要求するのではなく、上手に止まれた子、上手に反応しようと気づいた子、などをその場で褒めていき、全体に「やる気」を影響させていくようにします。
再度、1小節目から鳴らし始めて再開、となります。この音を止めるタイミングは他の音符の場所でも可能です。「1か3拍目」で止めることが、音楽が不自然なことなく聴こえるはずです。色々お試しください。
4.活動の展開
歩く、止まるを何回か行ったら【走る】や【ゆっくり】を混ぜていきます。音を止めて「止まる」の状態の後に【曲2(走る)】を鳴らしてみます。その時子ども達全体の様子を見てみましょう。走り出す子どもが殆どだとは思いますが、状況によってフォローを入れる必要があります。
もし、走り出す子が少ない場合は、「今、何が出てきたかな?」と声をかけてみます。気付いていた子が「イルカ!」と答えたら、「そうだね、泳ぐのがとっても速いイルカだね」とイメージを広げます。
もし、興奮状態になって流れと逆走する子がいたら一度止めて、その子に「進むのはこっち(方向を指差し見せて確認)だよ」と個別に声をかけて促すようにします。
あまり長く走らせると、疲れさせて集中がなくなってしまいます。4小節分で止める、を繰り返す流れがちょうど良いと思います。2~3回走ったら、【曲1(歩く)】や【曲3(ゆっくり)】に変えていきます。
初回は「歩く」「止まる」を中心に行えば良いでしょう。
4.活動の発展
今回の活動は、「動く」「止まる」「音の変化に合わせる」といった今までと同様の内容なので、子どもからすると新しいことにチャレンジしているとはいえません。しかし今回の新しい要素として、「メロディを鳴らす」「即興的に変えていく」という新しい演奏面があるので、むしろチャレンジしているのは指導者側と言えます。
それなので、活動を発展させていくことは、演奏面で慣れていき次第変えていけることになります。
発展例
・「止まる」のタイミングを色々な場所で入れられるようにして、子ども達の反応を促していく。
・「動き」→「止まる」→「別の動き」といった「止まる」をクッションとして入れていたのを少なくして、音楽の変化をスムーズにする’
※例→【曲1(歩く)】を4小節~【曲2(走る)】を2小節(3小節目で「止まる」)
最初のうちは、無意識に行うことは難しいので、「歩く」「走る」「ゆっくり」「止まる」を小節単位でパズルのように入れ替えて、一回分の譜面を台本のように用意しておくことから始めるとよいでしょう。
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by 藤原 大輔
誰でも手軽に活動できる!
【活動1.♪はじめよう、の歌に合わせて手を鳴らす】
【活動2.タンバリンに合わせてクラップする、合図に反応する】
【活動3.音の高低に反応して動く】
【活動1】〜1分
【活動2】〜2分
【活動3 発展1.2.3】〜7分
【活動1. ♪はじまりのうた、をうたう】
【活動2.タンバリンに合わせてクラップ、合図に反応する】
これは前回同様のものです。前回分を参考にしてください。
ちなみに活動2は、タンバリンの「テンポを変える」という変化を入れてもよいでしょう。
【活動3.音の高低に反応して動く】
☆絵1(クリックでpdfファイルが開きます)☆絵2.3(クリックでpdfファイルが開きます)
1.絵を見せる
まず、セッティングとして絵1(家)の後ろに絵2(小とり)と絵3(大とり)を隠しておきましょう。例えば、紙を一枚貼ってポケットを作っておくと便利です。
1-1
導入部分です。まずは絵1(家)を見せましょう。「これはなんでしょう?」と子ども達に聴いて興味を集めます。そうして「何が出てくるでしょう?」と絵1から何かが出てくることを期待させます。
1-2
歌1を歌います。歌うことは前回同様、「歌」→「活動の提示」→「動き」という活動の枠組みを作るための大事な流れになります。歌い終わったら絵1(家)から絵2(小とり)取り出して見せます。この時、高い声で「ピピピ」と言い「小とり=高い声(音)」といった暗黙の提示をしておきます。
1-3
次に移ります。もう一度1-2を繰り返す形になりますが、今度は絵3(大とり)を出します。この時、低い声で「ピピピ」と出しましょう。過剰と思えるくらいな演技で見せて聞かせることがポイントです。ここまでで「とりの大小→声(音)の高低」と案に示したことになります。この時点で完全に子どもが理解をするはずはありません、10あるうちの2~3を知った、くらいと捉えて丁度よいでしょう。
2.動きの提示、活動
動き方の提示、そして活動の説明に入ります。
2-1
絵2(小とり)と絵3(大とり)を見せて「小さいのはどっち?」「大きいのはどっち?」と聞いて大きさの違いを比較してみます。そして、「小さいとりはピピピ(高い声で)と鳴きます」「大きい方はピピピ(低い声で)と鳴きます」と高い声と低い声の違いを意識させます。
2-2
絵をしまって鍵盤ハーモニカを出します。子どもが注目した所で「これで、とりの声を鳴らします。聴いててね…」と聴く事を促します。曲1を高い”ラ”から弾きます(譜面は上記にリンクあり)。そうしたら「これは、大きいとりと小さいとり、どっちだと思う?」と聞いてみましょう。この時点では意見はバラバラになると思います。「これは小さいとりでした。では、次はどっちかな?」と今度は曲1を低い”ラ”から弾きます。そうすると、「小さいとり」とされた高音の音より低い音で提示されるため「あっ!大きいとり!」と比較することが可能になります。
2-3
何度か「じゃあ今度はどっちかな?」と高音か低音の曲1をランダムに聴かせるクイズのようなことをしてみます。高低を順番で聴かせると「大きいだったから次は小さいだろう」と推測され「聴く」という能動的な行動が少なくなってきます。必ずランダムにしましょう。ちなみに、全員が最初から音の高低を理解して聴き分けることは少ないです。あまり長くやり過ぎるとすぐに飽きてしまうので、8割ほどの子が聴き分けられていると感じられたら次にいくようにします。
2-4
活動に入ります。いきなり始めようとすると、動きたくてウズウズしている子から走り回っていってしまうので静かに開始を提示していきます。小声で「今度はどっちかな?聴こえたら、みんなは「とり」になってお散歩して下さい…じゃあ、立って」と伝えます。どっちがなるかな?といった興味を全体の8割ほどの子が向けていたら音を鳴らします。最初は「小とり」がいいでしょう。
2-5
10秒ほど動いたら一度止めます。子ども達の様子次第で次のように対応していきます。
・A 止まってすぐに全体の8割がこちらに注目出来る場合
「じゃあ、今度はどっちかな?」と言い、もう一度「小とり」。同じようにして次は「大とり」を鳴らす。「小→大→小→大」といったパターンを最初の段階で感じさせてしまうと「ハイ次はこれでしょ」となり、聴く意識が薄れてしまいます。ここで大切なのは「次はどっち??」と能動的に聴こうとする意識を作ることです。それなので、子どもの裏をかいていくようにします。
・B 全体が落ち着かず、すぐにこちらに注目出来ない場合
「聴く」よりも動くことに気がいっている状態なので、一度子ども達を集めて座らせます。落ち着いたら「これはどっちかな?」と聞いて「大とり」を鳴らします。そうして10秒ほど動いたら、もう一度集めて座らせましょう。
2-6
4~5回行えば初回としては十分です。ポイントとして、音が違う時に違った反応を示しているか?ということを見ていきます。どちらの場合でも同じように走り回っていては活動が成り立ちません。
3.発展
2回目以降は、動き方や役付けなど「とり」というキャラクターに意味付けしていってみます。
例えば。動き方の確認をしていきます。もっともわかりやすい動き方としては「小とりは身体を縮めて動く」「大とりは大股で両腕を広げながら動く」でしょう。あえて子ども達に自由に任せてみて特徴的な動きをしている子からアイデアを広げていくこともできます。音を止めて「◯◯くん(ちゃん)のとりは面白い動き方だね~」と一人を注目させていくと、周りの子へも影響が拡がっていきます。
大小の「とり」に何かストーリーを持たせてみるのも面白いです。第二回では「アリ」がエサを運ぶ、といったものでした。同じように「小とり」がエサを探しに行く、「大とり」は家で料理の支度をする、と音によって演じる役割を変えるようにしてもよいでしょう。
このように、イメージ活動のベースとして扱うことができます。言ってみれば「とり」である必要もありません。今回の活動は「音の高さ」をルールにしている、というだけのことです。何か身近なイメージに当てはめてオリジナルの活動を考えていきましょう。
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誰でも手軽に活動できる!
【活動1.♪はじめよう、の歌に合わせて手を鳴らす】
【活動2.タンバリンに合わせてクラップする、合図に反応する】
【活動3.音の強弱に反応して動く】
第一週:
【活動1】〜3分
【活動2】〜2分
【活動3】〜5分
第二週:
【活動1】〜2分
【活動2】〜2分
【活動3 発展1】〜6分
第三週
【活動1】〜1分
【活動2】〜2分
【活動3 発展1.2】〜7分
第四週
【活動1】〜1分
【活動2】〜2分
【活動3 発展1.2.3】〜7分
【活動1. ♪はじまりのうた、をうたう】
・今回から活動の最初に「♪はじまりのうた」が入ってきます。これは、回を重ねるごとに少しずつ難易度を上げていき、第十回(予定)まで通して続けられる活動です。
・また、このように「はじめるよ!」といった事を明確にする活動を最初に入れることで、「これからリトミックで遊ぶ」といった枠を提示することができ、子どもたちへ見通しを持たせ参加を促すことにもなります。
・歌の構造はとてもシンプルです。最初のルールは、「はじめ【よう】」と指導者が歌ったら、子どもは2回手を鳴らすというものです。【よう】の部分のタイミングをずらすことで(後述)子どもたちはタイミングを見計らい、結果それが遊びになってきます。
1.手を鳴らす練習
・導入〜2回手を鳴らす
1-1
最初に指導者の真似をさせます。「先生の真似をしてね」といい、一瞬間を空け注目を集めます。そしてパチパチと2回手を鳴らします。子どもたちが真似をしたら、「もう一回いくよ」と繰り返します。3回ほどでよいでしょう。
2-1
今度は拍にのせて連続して続けていきます。「指導者(パチパチ)」→「子ども(パチパチ)」→「指導者」というように交互に2回ずつならしていく形です。これは、「歌の部分は鳴らさない」というルールの練習のようなものです。
とはいえ、自分の番だけ2回というのは難しいです。子どもはずっと手を鳴らし続けるでしょう。そこで、上記の「交互に」というルールを提示していかなければいけません。
まず、ジェスチャーと言葉で示します。「パチパチ、は順番にならします」自分を指さし「先生」子どもたちをグルっと指さし(全員ということを示す)「みんな」「先生」「みんな」と拍にのせる形で行います。
次に言葉を残したまま「先生(こちらがパチパチ)」「みんな(子ども達に手を向け手を鳴らすジェスチャー)」と続けていきます。
長い時間繰り返す必要はありません。長くやると子どもはすぐに飽きてしまいます。ある程度やってみて全体の半分くらいがなんとなく出来ていれば十分です。活動を続けるうちにだんだん理解が進んでいくはずです。
ここまでを1分〜1分半くらいで行います。
2.歌をつけてやってみる
・ずっと鳴らすのではなく「よう」の後に鳴らす
・一度鳴らすのを止めて仕切りなおします。そして、「今度は、先生が【はじめよう】と言ったらパチパチと鳴らします」と言います。
・「じゃあ、いくよ」と手を鳴らす準備をします(すると子どもも真似して準備するはずです)。「はじめよう」→「(指導者も一緒に)パチパチ」とやってみます。この時点では子どもたちはまだ「はじめよう」の部分で手を鳴らしてしまいがちです。
・「【はじめよう】の時は(口に人差し指をあて)シー…、鳴らさない」と伝え、何度か行います。全体の半分くらいが出来れば十分です。
・歌でやってみます(譜面1を参照)。仕切りなおす必要はなく、急に歌にします。「はじめよう」→「パチパチ」が二回、「リトミーックを〜はじめよう」→「パチパチ」が一回。これを2回繰り返して歌は一回りとなります。
・子ども達は「リトミーックを〜」の部分も手を鳴らしてしまうと思います。最初のうちは途中で止めて「まだ鳴らさないよ、はじめ【よう】って言ったら、パチパチします」と伝え、ルールを少しずつ理解させていくようにします。
3.通してやってみる(本番)
・子ども達とルールの確認をします。「はじめ【よう】」といったらパチパチ、鳴らします」と伝え、「じゃあ、いくよ」と準備をさせます。
・こちらの動きは、歌をうたうこと、そして動きを模倣させることの2点になります。それなので、こちらがパチパチとするタイミングは子どもと同じということになります。とにかく最初なので、模倣させていくことが重要になります。
・歌は2〜3回繰り返すだけでようでしょう(ここまでで集中も切れかけているはず)。
ここまでが「最初の段階の導入」となります。活動が二回目は、以下の部分から行うようにします。
4.伴奏をつけて行う
・活動の二回目以降では、全体の半分くらいは子どもたちは流れを覚えていると思います。そこで、楽器(ウクレレ)を使って伴奏をしましょう。
・伴奏をつけることによって、楽器への興味や音に注目するなど活動に色がつきます。また、指導者の動きはそれまでとは違い「楽器を弾いている」ということになり、子どもたちからすると模倣する対象ではなくなります。つまり、導入部分よりも段階が一つ進んでいることにもなります。
・流れとしては、楽器なしの時と大して変わりません。「さあ、うたうよ」の合図としてCのコードをポローンと鳴らし、注目させます。少しの間を置いて「♪はじめよう」と歌を進めましょう。伴奏については、☆譜面1を参考にして下さい。
【活動2.タンバリンに合わせてクラップ、合図に反応する】
内容自体は前回の「活動2」と大差ありません。
10分間リトミック指導案 第一回 | 子どもと音楽で遊ぶリトミック指導
異なるのは「合図に反応する」という要素が増えていることです。今回は、その部分のみご説明します。
活動内容
∇拍にのせてタンバリンを鳴らす→止める
∇止める瞬間に指導者が合図を出すので、よく聴いて反応する
2-1.
前回は「鳴らす止める」の素振り、時間の間隔を変えていくことで、反応させていきました。今回は、音を止める瞬間に「身体の部位」を言葉で合図します。子どもは、その部位に触れて止まるようにします。
最初は、前回同様に「鳴らす止める」を行いましょう。2~3回程度でよいです。そして、3度目あたりに、止める瞬間「あたま!」と言って両手を頭に乗せる素振りを見せます。そうすると、子どもたちも真似を始めます。
「まねっこできたかな?」と真似をすることを意識させ(つまり合図の部位を触る、というルール提示になります)、またタンバリンを鳴らし始めます。もう一度「あたま!」と言いますが、今度はこちらは触りません。ここで「あたまって言ったら頭を触ります」と言葉でルールの提示をします。後は、繰り返していけば定着していくでしょう。
2-2.
「あたま」に慣れてきたら不意に「おなか」など違う部位を入れていきましょう。他には「ひざ」「あし」「ほっぺ」「め」「みみ」「はな」「くち」など。最後に「おしり」とすると笑いで終える事ができます。
【活動3.音の強弱に反応して動く】
1.絵を見せる
1-1
見せる~合図うた
・この活動の導入部分になります。前の活動からスムーズに移れるよう、絵を準備しておく必要があります。例えば周りの棚に置いておいたり、床に座る場合は自分の背後に忍ばせておいたりします。ただ、子どもに「?何か持っている??」と気づかれると興味がそっちにいってしまうので、さりげなく用意する必要があります。
・絵1(アリ)を登場させます。この時、「何かが出てきます」とひとこと言い期待を集めます。そして、絵を取り出し見せます。2~3秒提示したら「これは何でしょう?」と聞いてみます。(恐らく)誰か一人は「あり!」と答えるでしょう。
ここで必要なことは、「アリ」のイメージをみんなで確認、共有することです。それなので、
「アリさん知っている?」「見たことある子いますか?」とアリについて問いかけていき話を広げましょう。
アリについて知っている事や体験したことを教えてくれる子もいるでしょう。そういった子の話を聞いたりしている内に子どもたちはどんどん「自分も知っている!」と乗り気になってくるはずです。
・話が盛り上がったらキリのよいところで、「さて!」と一度流れをこちらに変えます。そして、「このアリは何かを探しています」と言い、話を戻しましょう。
1-2
エサ発見~動き提示
・♪歌1を歌いながらアリの絵を動かします。動かし方のポイントは「注目させること」です。とはいえ、難しい事は必要ありません。歌に合わせて絵をピッピッと軽く上下に動かすだけでいいでしょう。
ここでの最初の「♪歌1」は、その後の活動で合図として使うため「子どもに覚えてもらう」といった重要な目的があります。短い歌なので繰り返し歌います。最初は4回繰り返しましょう。
そして、次の展開に移ります。4回目の歌が終わったら唐突に「アッ、何かある!?」と大げさに言い、子どもの興味をひきます。
・隠していた☆絵2(エサ小)を取り出します。そして小声で「これは、小さいエサです」と見せながら言います。ここからの小声で提示することは、「小さいエサ」の場合のルール提示にもなっています。
・話を展開させます。「エサを家に持って帰ります」「小さいエサは、大事に落とさないようにそーっと運びます」。とにかく小声で、☆絵2(エサ小)を☆絵1(アリ)に重ねて「そーっと…そーっと…」と言葉と一緒に動かし見せます。
1-3
締め、繰り返し、終わり
・♪歌1を小声でなく普通に歌い☆絵3(家)を出します。「これは、アリさんの家です。エサをしまいます」と☆絵2(エサ小)を☆絵3の後ろに移します。これを1サイクルとします。時間としては、ここまでを1分半くらいで済ませるようにします。
・「アリさん、また何か探しに行くみたいです」と【活動1-2】から繰り返します。ただし次からはテンポよく進めるために♪歌1は2回の繰り返しとします。2回目は最初と同様小さいエサです☆絵4(エサ小2)。同じようにそーっと家まで運びます。
・そして3回目は☆絵5(エサ大)です。この場合は小さいエサの反対で、大きくゆっくり低い声で「これはお~お~き~い~エサ!さっきより重そうです」と大げさにに言い、☆絵1(アリ)の動かし方も重そうにします。「よーいしょ!よーいしょ!」と上下の振りも多少大きくすると違いが明確になります。
・大きいエサを運んだところで(☆絵3(家)からはみ出しますが、恐らく笑いの場面となり、これはこれでいいでしょう)「いっぱいエサを見つけたありさん」「エサ探しはこれでおしまい。おやすみ」と話を終結させます。
2.動き説明、活動
2-1
説明、提示
・アリが何をしていたか、子ども達に質問して確認します。そして、これはそのままイメージ活動としてのルールを伝えていることになります。質問→「アリさんは何を運んでいたでしょう?(エサを見つけて運ぶ、という枠組みとしての流れの説明)」「どんなエサ?(軽いのと重いのがある、ということ)」「どんな動き方?(軽いのは静かに、重いのは重そうに動く、ということ)」
・「先生がアリさんになってみます、見ててください」といい指導者が実際に動いて見せます。空いているスペースへ移動します。部屋のレイアウトにもよりますが、長方形の部屋だとして左側半分が子ども達が座っている場所、右側半分で指導者が動いてみせる、といったイメージです。
・歌1を2回歌い、十分に注目を集めたところで→タンバリン(小)をトントンと鳴らします。「どっちのエサだと思う?」と聞いてみます。答えが子どもから出たら「そう、小さいほうのエサです」、と言い「落とさないように運びます」と指導者が動いて見せていきます。
・恐らくこの時点で立ち上がり動こうとする子が出てくると思います。しかし、この場面は子ども達に活動のルールを提示するための重要な部分なので「まだ、座って見ていてね」と声をかけましょう。
2-2
・「今度はみんながアリさんになってみましょう」と声をかけ、活動の始まりを提示します。立ち上がるとすぐにでも動きたくなってしまう様子であれば「まだだよ、聴いて」とタンバリンを見せて静止することを促しましょう。そして、「歌1」→「タンバリン(小)」と進め「これはどっち?」と聞きます。
・子どもがそーっと動きだしたら小声で「そうだね、小さいエサだね」と全体に動きを注目をさせます。指導者は動かないで鳴らすのみにして子どもの動きをよく見ていくようにします。興奮して走りだしそうな子には、「エサが落ちちゃうよ」と小声で声掛けしていき気づかせます。
・全員がそーっと動いて10秒程で一度終わらせます。タンバリンに合わせて「おうちにつきました」と言葉で(適当な歌でもいいです)全体に伝えます。「じゃあ、エサをおうちに入れるよ、そーっと…」穴に入れるような動作を一緒にやってみます。その後、子ども達を一度座らせて上手だったことを取り上げてほめるようにします。「出来た!」ということをフィードバックさせていきます。
2-3
活動
・「もっとエサを探してみましょう」と伝え、もう一度繰り返します。動いた後なので、一度落ち着かせるために座らせた方がよいでしょう。「次は小さいエサかな?どっちかな?」と小さめの声で全体に声掛けしながら、こちらもしゃがんで見せます。子ども達もそれを見て身を屈めるはずですが、様子を見て「座るよ」と伝える必要があるかもしれません。
•頃合いを見て♪歌1を歌いますが、子どもの集中が落ちてくる頃なのでスパンを短くしていきます。歌は繰り返さず一回でもよいでしょう。次は「大きいエサ」、タンバリンの大きい音を聴かせ「これはどっち?」と問いかけます。大体の子はすぐに先程との違いに反応するでしょう。5秒ほど聴かせたら「大きいエサです」と伝えます。
•動き方は特に決まりはありません。上手だったり特徴的な動きの子を注目させて褒めていきましょう。そうすると影響が周りの子へ広がり、色々な個性が見られるかもしれません。ただ、大きい音で興奮して走り回る子も出てきます。全体がそうなっては活動が破綻してしまうので、状況によってはこちらも「よーいしょ」と動いてモデルを見せていきましょう。とにかく「小さい音」はそーっと、「大きい音」はノシノシといった明確な動きの違いを意識させることが大切です。
・「おうちにつきました、(エサを)よーいしょ!」と終わります。良い動き、特長ある動きを短く褒めて、すぐ次へいきます。3回目となる今回は「大きい」か「小さい」を聴き分ける必要があります。「次はどっちかな?」と興味をタンバリンに集め、始めます。どちらかを鳴らしましょう。
ここまでを全部合わせて3~4回行えば初回としては十分です。
3.発展例
・開始前→「今日はこんな風に動いてみよう」と動き方の提案
・動きを終わる際に「おうちにつきま、せん」とフェイント(まだまだ動く)
・♪歌1、「なにかさがしてる」の後に「食べ物」か「そうでないもの」の提示、ダメならブー、◯なら動く
おすすめ楽器 | 商品名 |
---|---|
AlaMoana アラモアナ ウクレレ 教則DVD付き6点セット ギアペグ仕様 UK-100G/CS | |
SUZUKI スズキ 鍵盤ハーモニカ メロディオン アルト M-37C | |
キクタニ 皮付きタンブリン 21㎝ TMB-21 |
by 藤原 大輔
誰でも手軽に活動できる!
【活動1.指導者の動作をを真似させていく】
【活動2.タンバリンに合わせてクラップする】
【活動3.音に合わせて2つの動物をイメージして動く】
第一週:
【活動1】〜3分
【活動2】〜3分
【活動3】〜4分
第二週:
【活動1】〜2分
【活動2】〜2分
【活動3 発展1】〜6分
第三週
【活動1】〜1分
【活動2】〜2分
【活動3 発展1.2】〜7分
第四週
【活動1】〜1分
【活動2】〜2分
【活動3 発展1.2.3】〜7分
今回の活動は、全10回(予定)行うにあたっての「導入回」といえます。
難しいことは行わず、楽器も「タンバリン」しか使いません。しかし、「集まる」や「動く」といった活動を行うために大切な「流れ」をしっかり定着できるよう指導案を立てています。
それなので、初めて行う子どもたちにとっても、初めて指導を行う大人にとっても重要な回だといえます。
楽器は、第二回から「ウクレレ」を、第三回から「鍵盤ハーモニカ」を使うようにします。
【活動1.指導者の動作をを真似させていく】
活動の最初である導入部分になります。ここでの目的は「子どもの興味をひく」ことです。
☆活動内容
∇手で膝など身体の部位を鳴らし続ける~止める
∇止める際にポーズやオノマトペ(擬音)を付ける
1-1.
まず、指導者のまわりに子どもたちを集め座らせます。この時、積極的過ぎる子どもはこちらの足元に座りがちです。
それなので、予め「一歩前へ出た位置」で集めるようにします。子どもが全員集まって座った時、こちらが一歩下がればちょうどよい間合いとなります。指導者も座り、活動を始めます。
1-2.
「まねっこしてね」と一言、そうしておもむろに「パチパチ」と手を鳴らしていきましょう。何人かが真似をし始めれば周りもついてきます。
全員が鳴らすようになったら頃合いで鳴らすのを止めます。小声で静寂を演出するように「みんなも止まります」と伝え、子どもの顔を見渡し確認。そうしたら再度鳴らし始めて繰り返します。
「鳴らす」→「止める」のパターンが定着したら、ひとまず基本は出来たことになります。ここから、「遊び」になるようパターンを崩したり、ルールを加えていきます。
1-3.
例えば、フェイントを入れていきます。止める際に「さあ止まるぞ!」といった大げさなフリを入れていき、それを3回繰り返したら4回目は「フリを入れるが止まらない」とか、鳴らし始める素振りで鳴らさない、など。何かしらのパターンを3回繰り返したら、4回めで「外す」のがポイントです。
ルールの追加で、手以外の部位で鳴らしてみます。膝や肩、お腹など色々な部位でやってみましょう(この段階では、無理に「音を出す」にこだわらなくてもいいです、動作を真似ることが目的です)。
他に、止まる際に「ポーズや擬音を付けてみる」方法があります。ほっぺたを触り続け、止まる際に両手で頬をよせたり(ブラックジャックのアッチョンブリケです)、お腹を掴んで「ギュー!」と言ってみたり。
子どもが「次の動作」を期待するようになれば十分です。言葉やポーズを入れるだけでも楽しめるものになり、遊びは長続きします。
【活動2.タンバリンに合わせてクラップさせる】
次に楽器を使った活動です。前の活動と同じような内容なのですが、ここではタンバリンを使い「音に合わせていくこと」を目的にします。
活動内容
∇拍にのせてタンバリンを鳴らす→止める
∇鳴らし続ける時間や止めるタイミングを変えていく
2-0. ※初回の場合
先ほどの活動から続けて行います。「次はコレを使います。なんでしょう?」とタンバリンを背後に隠し持ちます。音だけを聴かせたり、チラリと見せたり、じらしたりして興味をひきましょう。やりすぎると、何人かが立ち上がり背後を見に来ようとして場が崩れるので、ほどほどにします。タンバリンを見せて次に移ります。
2-1.
「もう一度、まねっこします。みんなは手を鳴らしてね」と伝え、タンバリンを慣らしていきます。一秒間に2回くらいのテンポ(メトロノームでいう120)でよいです。全員が鳴らし始めたら、頃合いを見て止めます。前の活動と同様に「みんなも止まります」と伝えます。
2-2.
全員がピッタリ同じ真似をして鳴らすとは限りません。必ずといっていいほど、楽しくなってしまいやたら速く手を鳴らす子がいます。「音に合わせていく」ことが目的なので、子どもたちの注意を音に向けさせる必要があります。こちらのタンバリンに合わせて「て、を、なら、そう」と繰り返し言葉で提示していき、「合わせること」に集中を向けさせていきます。
2-3.
前の活動と同様にフェイントを入れていきましょう。フェイントのコツは「鳴らす」→「止める」のパターンをどのように揺らがしていくか?ということです。「鳴らす止める」の素振り、時間の間隔を変えていくことで、子ども達は退屈しません。
また、ここでの目的は「音に合わせていくこと」ですが、子どもが合わせようと気を向けられれば十分です。完璧を目指す必要はありません。
【活動3.音に合わせて2つの動物をイメージして動く】
★音の違いを聴き分けて反応する ★動く→集まるの流れを定着
最後に身体を動かす活動になります。活動の目的は「音を聴き分けて反応する」です。そしてもう一つ重要な目的として「動く→集まる、の流れの定着」があります。これは、今後の活動の土台となる流れなので、最初からキッチリ行っていきます。
・絵1(家) ←※クリックでpdfファイルが開きます
・絵2(ひよこ)絵3(ぞう) ←※クリックでpdfファイルが開きます
3-1.
この活動の導入部分になります。絵1(家)を見せ「誰かが住んでいます」と見せましょう。ドアをノックしたり「誰かいますか?」と演技をして子どもの興味を集めます。そのうち声色を変えて「は~い」と言い、絵1の背後から絵2(ひよこ)をチラリと見せます。
それを見た子どもは、それが何かを考えるのに夢中になります。向きや方向を変えて何度か見せたあと、「じゃあ、みんなで呼んでみましょう」と言い「出ておいで~」と子ども達が呼びかけるようにします。正解を見せて、次の絵(ゾウ)を同じように見せます。
3-2.
ここからが活動の「提示部分」となります。提示の原則は「聞(聴)かせる」「やって見せる」「やらせる」「ほめてみせる」の4段階になります。
まず、見せた動物の絵はいったん全て下げます。そして「ひよこ」を見せて「ひよこは、どうやってお散歩するかな?」と子どもたちに聞きます。おそらく、言葉や擬音で答える子と、立ち上がって動き回る子の2パターンの反応が見られるはずです。動く子が増えてきたら様子を見て【活動1-1】の方法で再度子どもを集めましょう。
次に、「これは、ひよこの音です」とタンバリンの音を聴かせます。【活動2-1】の時よりも速いテンポで小気味よく鳴らします。そして、「見ててね」と伝えて鳴らしながら指導者が動いて見せます。音に合わせながら5〜6秒小走りすればよいです。もし、この時点でつられて走りだす子がいたら「今はまだ見ててね」と座ってもらいましょう(そうしないと十分な提示が出来ないまま全員が動き出し活動がくずれてしまう)。
子どもが動く番です。「じゃあ、今度はみんながひよこになってみよう」と伝えタンバリンを鳴らし始めます。この時、注意することは「全員が一定の方向に動く」事です。時計回りでも、反時計回り、どちらでも良いのですが逆走する形の子がいると必ずぶつかり事故を起こします。その時は一度止めて、「こっち向きね」と指を腕ごと大きくグルっと回し全員に方向を指し示します。
子どもの動きをよく見ます。ひよこになりきって色々な動き方があるかもしれません。そうした特徴を見逃さないようにし、言葉にしていくようにします。「かっこいいね」「かわいいね」「じょうずだね」といった声掛けよりも、「◯◯くんのは羽があるんだね」といった具体的な方が、子どもも「その気」になります。これは、周りの子へも「その気」の影響を広げることになり、活動が活性化していきます。
10秒〜20秒ほど走ったら止めて子どもを集めます。そうしたら次の動物である「ゾウ」を【活動3-1】と同様に見せて動いてみましょう。動きのイメージは「大きく、ゆっくり」です。タンバリンの音は2秒に一回くらいの「ゆっくり」で鳴らしましょう。
3-3.展開
「ひよこ」と「ゾウ」を動いたら、【活動1-1】の方法で子どもを集めます。そして、ルールの説明となります。「先生のタンバリンが、ひよこさんだったら(ここで一瞬鳴らして聴かせる)、みんなはひよこさんになってね。」「タンバリンが、ぞうさんだったら(一瞬聴かせる)、みんなはぞうさんになってね」と伝えます。
「さあ、最初はどっちでしょう?」とタンバリンを鳴らす準備を見せ、子どもの注意をひきます。一瞬の間をおいて「ひよこ」か「ゾウ」を鳴らします。子どもたち全員が動いてから5秒~7秒ほどしたら止めて集めます。「正解は◯◯でした」とクイズのように答えて、「じゃあ次はどっちでしょう?」と繰り返します。3~5回行えば十分でしょう。
ここまでを初回分とします。
3-4.発展
2回目以降の活動では、別の絵を用意して出てくる動物を変えてもよいでしょう。毎回の導入部分で動物は何種類か出し、「今日はコレ」といった感じで2種類を選ぶ形で行います。
ただし、その2種類は明確に音と動きが異なるもの、にしなければ活動になりません。タンバリンの音は「速い」か「ゆっくり」かの2種類になります。たとえば、
・速い→イヌ、ネコ、ウマ ・遅い→カバ、ウシ、クマ
といったように分けられるでしょう。この分類は常識にとらわれず子どもの一般的なイメージ、ということでよいです(カバは実際40km以上で走る俊足と言われています)。ちなみに、最初の「ひよこ」と「ゾウ」はイメージ的に明確に違いがあるから選びました。
発展2
活動の発展方法として、構造に手を加えることも可能です。【活動3-3】では「動く」→「集まる」の繰り返しでした。これを「動いている最中に音を切り替えていく」ことで連続させたものにしていきます。
このルールの最初の提示方法は、動きの最中に「いきなり音を変える」でよいです。何人かは反応するはずでしょう。その後鳴らしながら「あれ?音が変わったね」と全体に声掛けをすれば、じきに「いきなり変わる」ルールが浸透していきます。
このルールの場合、動いている時間が長くなり子ども達は疲れてくるので「音が止まったら動きも止める」といったルールを入れなければいけません。唐突に音を止めて「止まったら、みんなも止まりましょう」と伝えればよいです。2種類の動き、止まる、をランダムに変えていくことになります。
発展3
また、この「止まる」部分を「ポーズ」にする発展方法もあります。「ゾウ」なら鼻を高くあげ「パオーン!」とポーズ、など、子どもたちと自由に考えてみると面白いです。
おすすめ楽器 | 商品名 |
---|---|
AlaMoana アラモアナ ウクレレ 教則DVD付き6点セット ギアペグ仕様 UK-100G/CS | |
SUZUKI スズキ 鍵盤ハーモニカ メロディオン アルト M-37C | |
キクタニ 皮付きタンブリン 21㎝ TMB-21 |