先日の記事の続きです。 0歳児での活動で「受動的」と「能動的」な活動では、どのようなものがあるのでしょうか?
0歳児のリトミックには、とにかく「物」を用意しておくとよい理由 | 子どもと音楽で遊ぶリトミック指導
[もっと読む…] about 0歳児のリトミック「受動的」と「能動的」な活動とは?
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by 藤原 大輔
先日の記事の続きです。 0歳児での活動で「受動的」と「能動的」な活動では、どのようなものがあるのでしょうか?
0歳児のリトミックには、とにかく「物」を用意しておくとよい理由 | 子どもと音楽で遊ぶリトミック指導
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by 藤原 大輔
今日は始めての児童館でのリトミックでした。写真は0歳児向け、という意味でのタイトルですね。素敵です。
0歳児のリトミックの場合、私は必ず最初に伝えることがあります。
それは「親子での活動」ということです。
一般的にリトミックといえば「子どもがやるもの」というイメージが強いです。
そのため「子どもにやらせなければ」という気持ちで参加される方がおられます。
0歳児は音を聴いて感じたり、手を伸ばせる範囲で探ってみたり、といった段階です。
それなので、「お母さん(お父さん)と一緒にやりましょう」ということを伝えていきます。
また、活動の全てに参加できなければいけない、というイメージもあるかと思います。
この年齢では興味を10秒でも向けられれば十分です(そもそも、集団の活動の場にいれることだけでも十分です)。
それなので、「全部参加する必要はなく、一部分でも出来れば上出来です」とも伝えます。
0歳児が出来る活動は、「親と一緒にできること」と「ちょっとでも出来ればOK」といったものになります。
そして長く集中を維持することは難しいです。
そうすると、15分〜20分の活動でも内容は手を変え品を変えというように細かくなっていきます。
それなので「物」は多めにあると活動の組み立てがしやすくなります。
また、0歳児はだっこメインなので能動的な活動を少し、それより受動的な活動を多めにするとちょうどよいかと思います。
・簡単な楽器に触れてみる
小型のマラカスなど小さな手でもつかむ事ができて、かつ簡単に鳴らせる物が良いです。振ってみることで中身の感触を楽しむことになります。音楽がある中で、自然と振り続けることに夢中になる子もいます。
・感触を楽しむスカーフ
スカーフは手触りが良く、0歳児の子だと自分の身体より大きいスカーフを目の前にして掴んでみたり、握りこんでみたりと感覚遊びのようにして楽しめます。ちなみに口に運ぶこともあるので、時々干しておいたりと衛生的な管理が必要になります。
・動きの中で音楽を感じる
これは、「大人」の出番です。抱っこやおんぶなど大人の身体に密着した状態で動きを音楽と共に感じていきます。
つまり、大人が音楽に合わせて歩いたり走ったり(激しく、ではなく)、ゆっくり歩いたりして音楽を感じさせていくことになります。
座った状態でも、膝の上に乗せて跳ねさせてみたり、歌などと一緒に子どもの身体に触れて遊んでみたり(ふれあい遊び)と方法は様々です。
また、座った状態だと対面での活動がやりやすいので、お互い表情をあわせる形になり、やりとりは一層深いものになります。
・楽器のやりとり
例えば、差し出されたタンバリンをお母さんと一緒に鳴らしてみる、といったものです。
もちろん自分から鳴らす子もいますが、指導者が差し出した場合は「見知らぬ人」から受ける形になるので子どもによっては緊張や不安が高まります。
お母さんと、という安全が保証された状況で「一緒に」関わってみるという活動になります。
・スカーフを見る
スカーフを自分で触るのではなく「見ている」だけでも十分活動になります。音楽に合わせて揺らされたスカーフを目で追うことで「感覚で音楽を体験する」ことになります。
上記の活動は、全ての0歳児が必ず行えるわけではありません。
興味の持ち方や身体的に個人差があるのはもちろん、その日の気分によっても姿は変わってきます。
そういったことを、こちらは踏まえて活動に臨むべきです。
とはいえ、活動に参加しているお母さん(お父さん)からすると、行わていることは赤ちゃん向けなので「出来て当たり前のもの」というように捉えているかもしれません。
このように、活動に対する「枠組み」が指導者側と保護者側では同じように捉えられていない可能性があります。
これが一致していないと、活動が共有されないまま進んでいき「?」とお互いが腑に落ちなくなってしまいます。
こちらは「ちょっと鳴らせた、スゴイ!」と思っていても、その子のお母さんは「なんでうちの子はこれしか出来ないのだろう?」と思うこともあるでしょう。他の子の中に積極的に鳴らす子がいたらなおさらです。
それなので、0歳児の活動では「少しでも出来ればオッケー!」といったことを伝えていき、大人全員で「すごいね!できたね!」といった雰囲気を作っていくことが大切です。
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by 藤原 大輔
本日は児童館での0歳児親子リトミック。年度始めということもあってか30組以上の大変賑やかな活動となりました。
私は活動でマイクなどは使用しません。
理由としては、単にめんどくさいのと、無くても今まで困った事が無いからです(いや、風邪の治りかけの日は苦労します)。
大人数の中で、どうやって地声で活動していっているか?
それには、「声を通らす」必要があります。それについて、具体的に振り返ってみます。
・低い声より高い声
ザワザワしている場面では低い声だと、当然ながら全体へは声は届きません。自分の周りにさえ届きづらいです。
声は、低い声よりも高い声の方が「張る」ことができます。そうした声がいわゆる「よく通る声」なのだと思います。
それなので、自分が思っているより「もう少し高い」声で喋るとちょうど良いでしょう。
・間を作り、そこに声を通す
当たり前ですが、喋り声や物音がしている中よりも、無音の状態の方がこちらとしては伝えやすいです。
そこで、一瞬の「間」を作り、そこに声を通す(しゃべる)ということをします。
毎回ではなく、特に「伝えたいこと」がある場合に有効です。
どうやって「間」を作るかというと、しゃべっている最中に一瞬黙ればよいのです。
例えば、活動の説明をしている時に「〜なので…」と結論を言おうとする時に、ほんの本の一瞬ためます(「…」の部分が「ため部分」)。
聞き手側からすると、言葉が続くであろうと予想していたことが起こらず「えっ?何?」と注目をするでしょう。その「間」に声を通らすのです。
しかし、毎回こんな喋り方をしていたらテンポが悪いだけなので「ここぞという時」というような切り札?にしておくべきです。
・説明は30秒以下で
大人に対しての説明は長くて30秒(それ以下が望ましいが)にします。
これは、単純に長く聞けば聞くほど「集中が薄れる」からです。
子どもに対しては10秒以下がよいのですが、大人へはもう少し長くてもよいでしょう。しかし30秒です。
何より、長々としゃべっているとこちらの声が疲れてしまいます。
少人数のグループでは大きい声でなくても伝わりやすいので、むしろ話しかけるような声の方が雰囲気としては合っているでしょう。
また、子どものみの集団を相手にする際は、高い声だけでなく低い声なども使い、抑揚ある声の方が興味をひけて結果こちらの意図説明が伝わりやすかったりします。
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by 藤原 大輔
今日の東京は曇り、肌寒い日でした。
そんな中、児童館での親子リトミック。たくさんの方に足を運んで頂き、賑やかに活動できました。
とても子どもたちの反応が良く、また私に対して興味を持ってくれている印象でした。
リトミック講師は女性が多いど思います。一般的にもイメージとして女性を思い浮かべる方がほとんどなのではないでしょうか。
ちなみに、講習会にて男性が私一人だけという経験が何度もあります。
実体験としても、やはり女性の方が講師人口はほとんどを占めているでしょう。
とはいえ、大人を教える講師では男性も多いです。
何より、リトミックの考案者であるダルクローズも男性です。
話がそれましたが、講師に男女どちらがよいなんてことはないでしょう。
しかし、子どもを相手にする場合、やはり男性の場合にのみ起こりやすい場面などあると思います。
おそらく、乳児期の子どもがよく知らない大人の男性と関わる機会なんて少ないと思います。
そうしたことから、慣れるまでは警戒心を持ってこちらを気にするでしょう。
特に3歳くらいまでの女の子の場合、「男性が苦手」という子が時々います(反対にとても積極的に投げキッスしてくる子もいます)。
親子リトミックでの活動の導入場面で、集団の中に入っていく時や楽器を渡す時など、子どもの様子を見て距離を調整することがあります。
男性に限ったことではありませんが、少しずつ信頼関係を作っていく必要があります。
子どもがこちらに興味を持つということは、「…この人は、なんか面白そう??」と意識を向けることから始まります。
それなので、まず何より「一緒に遊ぶ」ことが必要です。
言葉で「私はあなたの友達ですよ」なんて言っても伝わるはずがありません。
また、ピアノに張り付いて進めてばっかりいても子どもは「向こうでしゃべっている人」くらいにしか思いません。
かといっていきなり接近しすぎても警戒されます。
「一緒に遊ぶ」とは、同じ場所に「一緒に存在している」ことを共有することで十分です。
ちょっと離れたところで歌あそびなどをしたり、小物楽器をならして聴かせたり。
子どもが「何やってるんだろう?」と視線を向けている時に少しこちらも視線を合わせるだけで、「一緒にやっているよ」と雰囲気を伝える事ができます。
大人だってもちろんそうですが、低い声でボソボソ喋られたらつまらないです。明るい声の方がいいに決まっています。
そして、重要なのが「声の調子」です。
小さい声、大きい声、明るい声、暗い声、変な声、声はいろいろです。
子どもの興味は、こういったことに向かいます。
一本調子ではなく、抑揚のある喋り方を意識するとよいです。
そして案外、自分が思っている以上に声のトーンはつまらないと思います(録音してみるとバッチリ分かります)。
それなので、ミュージカルのように大げさなくらいの気持ちでしゃべるとちょうどよいと思います。
説明不要ですね。これがないと子どもは「怖がって」しまいます。
こういったことは突き詰めるとたくさんありそうです。
例えば、服装の色なども子どもからすると印象を左右するかもしれません。
さすがにパステル調の、とかはリトミックにおいては野暮だとは思いますが。
思い返せば、私と同じように男性でリトミック講師をして子どもと接している、という人は同じ世代では会ったことがありません。
もし、私と同年代、または下の世代の男性でリトミック講師を目指している方がおりましたら参考にして頂ければ幸いです。
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by 藤原 大輔
児童館で親子リトミックを行うための心得。
とすると偉そうですが、要は知っておくと進める事が楽になるポイントを、自身の経験からお話します。
ここで言う「教室」とは、ヤ○ハやカ○イ等といった音楽教室の事を指します。
これらで行われているリトミックと児童館のリトミックでは何が違うのか?
それは、参加者側からする「有料」と「無料」の違いです。
それによって参加者の意識が変わってきます。
かんたんに言ってしまえば、お金を払う必要のある「教室」には内容がどうであれ【それを目的に来る】ということ。
無料である児童館には、その限りではない、ということです。
有料である「教室」は、予め内容について同意し契約を交わし行われるのに対し、無料である児童館のものは、それらの行程がありません。
そうすると、参加者によっては「こんなのやるつもりではなかったのに…(やりたくないな…)」といった思いをするかもしれないのです。
もし、ニーズがあまりない参加者が多数となった場合は「やらされてる感」が広がり、活動全体が盛り上がらなくなる恐れがあります。
そうなると、今後の活動自体の存続が怪しくなってきてしまいます(誰も来なくなる→児童館側からNGをもらってしまう)。
もちろん、児童館でのリトミックを楽しみにして参加される方が大半だと感じています(そして、そういった方々に支えられて活動できています)。
それでも、そうでない方もいない訳ではありません。
それなので、活動内容に初めての人でも入りやすいような工夫を毎回、意識していく必要があります。
具体的な方法については、人それぞれだと思います。ここでは、中身ではなく器の部分をお話します。
・体力と集中の持続時間
リトミックは主に身体を動かす活動になります。
それなので、親子で歩いたり、走ったりと様々な動きをしていく事になります。
しかし、間に休憩を挟みつつとはいえ、こういった内容を30分間続けることは大変です。もちろん参加者が、です。
活動に対する体力と集中(興味)が最もあるのは、開始直後です。
活動を続けていくと、体力・集中は少なくなっていきます。
それなので、動きなど「疲れる」活動は前半のみに設定するようにします。
30分の活動なら、導入5分→動き活動10分→その他活動10〜15分くらいが丁度良いでしょう。
・声かけ、モデル提示
活動に参加したものの、どうやればいいのか?何回も参加しているなら見通しが持てますが、初参加の場合はわかりません。
全員が経験者だとしても、全員が積極的に動けるわけではありません。
それなので、何をするのかを参加者に明確な提示をしていかなければなりません。
一番分かりやすいのは、実際に「動いて見せる」ことです。
これにより大人は「ああやるのね」と理解し、子どもは(年齢によりますが)模倣することが出来ます。
毎回こちらが動いて見せる、といった流れを入れると活動のテンポが悪くなるので(演奏者とリーダーまたはアシスタント、といったダルクローズでは珍しい複数人のスタイルで行う場合、話は別ですが)、演奏しながら「声かけ」をすることも有効です。
この場合、長々と説明するのではなく、短くスパッと説明しましょう。
この二つの使い分けですが、「どこの部分が伝えるのが難しいか?」といった基準で臨機応変に対応していけば良いでしょう。
そして、原則として「声かけ」は大人のため、「動いて見せる」は子どものため、という事があります。
子どもは大人ほど言葉が分からないからです。
活動のペース配分が忙しいものではなく、分かりやすい説明と進行が盛り込まれた活動内容だと、初めての人でも取っ付きやすくなります。
そして「また来てみようかな」と思ってもらえれば次回につながっていきます。
過剰なサービスはいりません。
内容にちょっとした配慮をすることが、児童館での親子リトミックを行うコツだと思います。
次回は、どんな物が役に立つのか?楽器や機材などを紹介します。
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by 藤原 大輔
最初に児童館での活動の全体的な部分をお話します。
もちろん、これは私の経験上のことであり、一般的なものではないかもしれません。
各児童館によって定期的な親子向けプログラムが行われています。
例えば、0歳児向けは火曜日、1.2歳児向けは木曜日といった感じで対象別に時間、曜日が組まれています。
ほとんどの場合、リトミックはここの時間で活動を行われます。
リトミック講師は「ゲスト講師」といった形で、この親子向けプログラムの時間を受け持つ事になります。
活動時間は児童館側のニーズによって変化します。
例えば通常行われているプログラムの一部分でリトミックを担当したとして20分ほど、リトミックのみのイベント的なもので40~60分といったところです。
活動頻度ですが、お金が関わってくる事で変わってきます。
どこの児童館さんも少ない予算でやりくりしているのが伺えるので(福祉全体に言えますが)、講師謝礼が発生するとなると2~3ヶ月に一度くらいになります。
ボランティアで結構!というのであれば、月一回以上などもっと頻度は多くお願いできるかもしれません。
もっとも、児童館側に受け入れられたら、つまり腕が認めてもらえれば!?ですが。
遊戯室やホールとよばれる広いスペースが、各児童館に一つはあります。
そこで行う事が多いです。地域によりますが、人数が多く集まるので、必然的に一番広い部屋を使う事になります。
体育館を想像してもらえば、おおよそのイメージはつくかと思います。
床は板張りが多く、素足になって活動できます。
0歳児対象の時間ではゴザやカーペットを敷いたりします。
基本的に固定遊具は無く(ろくぼく、はあったりしますが乳児は興味をそんなに持ちません。ただし、小学生対象の場合は殆どの子は興奮して登り下りする事に夢中になるので、活動の妨げになり得ます)、ノビノビと動けるスペースになっています。
バギーのような稼動遊具が出されていたりしますが、活動中は職員の方に片付けをお願いしたりします。
これまた児童館によります。
タンバリンやカスタネット、トライアングルといった教育にも使われている楽器はある程度の数が置いてあったりします。
ただし、そこまで多い数は確保されていない場合が殆どですので、事前に調べておく必要があります。
そして、殆どのリトミック講師が望むであろうアコースティックピアノですが、音楽室に設置されている事が殆どなので、ホールで使用するのは難しいでしょう(参加人数とピアノが置いてある部屋の広さによっては融通がきくかもしれませんが…)。
それなので、キーボードを使用することになります。
キーボードのグレードも様々です。
ある程度の強弱が付けられない、など児童館のものが希望に叶わないものである場合は、自身で持ち込むことを検討しなければなりません。
楽器問題は、一つの壁となります。
持ち込むキーボードは何が良い?オススメの小物楽器は?といった事を第三回でお話したいと思います。
大まかにですが、児童館での活動の説明でした。
次回は、親子リトミックを行うにあたって意識しておくべき部分をお話したいと思います。
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